ボーナス依存やこんな使い方は危険!ローンや子供の学費が払えない事態も…正しい優先順位
しかし年齢が上がっていくうちに、ボーナスの役割は「貯蓄(将来の出費に備えるためのストック)」の割合が大きくなり、また「固定的な大型出費用資金」に変わっていきます。たとえば、「ボーナス払いの住宅ローン返済資金」であったり「子供の学費支払い用原資」であったりします。
そうなると、これは必ず出費する固定費用ということになりますが、その金額をボーナス支給額が下回ると大変なことが起こります。
これは私の周囲であった実例ですが、業種全体が不況に陥ったため、ボーナス支給額が0.5月に減らされることになりました。ところが、住宅ローンや子供の学費を払えない社員が続出、会社が慌てて社員向けの緊急貸付を行うことになりました。かなりの社員が利用したそうです。
この会社は幸いその後業績が回復したためボーナス額も復活、社員は会社に借りたお金の返済も行えたそうですが、何年ものあいだ個人の家計には爪痕を残すことになりました。ボーナス頼みの資金繰りの危うさを顕著に示しています。
賞与の固定的使い道と、変動する支給額のバランスをどう取るか
冒頭でボーナスの支給ルールを確認するよう指摘したのは、こうした危険性を知っておく必要があるからです。もし、あなたのボーナスが固定的な場合は、ある程度固定的な返済に充ててもかまいません。ただし、年俸制などで人事評価により毎年の年収が大きく変動する場合、安定的な賞与といえない要素があることは意識しておくべきでしょう。もし、あなたのボーナスに会社の業績連動の要素がある場合、その影響度合いを見極め、固定的な支出をボーナスに依存するスタイルは改めておくべきでしょう。
これから家を買うとき、ボーナス返済額を「夏冬50万円ずつ」のような強気設定にしておくよりは、毎月の返済額を高めるほうがいいはずです。子供の学費についても、「子供が高校や大学に入学したときにボーナスでなんとかする」という発想は今すぐ捨てて、事前準備を少しでも上積みしておくべきです。
すでに住宅ローン返済中や子供が在学中の場合は、ボーナス急減に備えた資金確保をボーナスから行いましょう。この夏と次の冬ボーナスについては、旅行等の大型支出を抑えて一部をストックしておくのです。