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公認会計士・平林亮子と考える『あなたならどっち?』

「まとめ買いでお得&割安」のまやかし…かえって損?そもそも買う必要ある?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

 でも、どちらが本当に「お得」になるかは、終わってみないとわかりません。平日の昼間しか受講できませんから、スケジュールを組むのが大変になる可能性があります。チケットには使用期限がありますので、仮に5回分使い切れずに期限切れとなったら、1回当たりの単価は

・15万円÷25=6000円

となってしまいます。

 終日にしていればチケットを使い切ることができたけれど、平日の昼間に限定していたからスケジュールが組めずチケットを使い切れなかった――。そんな結果になるとすれば、平日昼間限定のチケットは、全然「お得」ではないということになるわけです。正直なところ、私も割安になったのかどうか微妙だったと思います。

 また、50回分より100回分をまとめて購入するほうが1回当たりの単価は下がるのが一般的です。

 しかし、先ほどと同様、チケットを使い切れるかどうかで最終的な単価は変わります。しかも、100回分のチケットとなれば通常、受講期間も長くなり、英会話スクールが倒産してチケットが紙切れになるという危険性も高まります。それが現実となったケースは、過去にもありました。

 英会話スクールに限らず、いわゆる「まとめ買い」をすると、単価が低くなるケースは多いです。購入する際は、それが「お得」だと考えるでしょう。でも、少し冷静に振り返ってみることも重要です。「本当に割安だったのか?」と。

 まとめ買いしたものを、使わないまま廃棄したとしたら、本当にもったいない。そこで、いわゆる「まとめ買い」をするようなときには、常にこのように問いかけてみることをお勧めします。

「本当に使い切ることができますか?」
「本当にそんなに必要ですか?」

金額だけではないメリット・デメリット

 ところで、先月より、とある英会話スクールの1年間コースの受講を始めました。学費は、1年分を前払いする方法と、月謝として支払う方法とを選択できるようになっていました。1年分を前払いすると、月謝の合計額より10%ほど安くなります

 私は迷わず1年分を前払いにしました。安くなるからということもありましたが、もっと重要な理由がありました。1年間通い続ける気合を入れるためと、お金の管理が楽になるだろうと考えたためです。

 1年間、コンスタントに勉強するスケジュールを確保しようとすると大変です。たくさんのお金を払うことで、気合や覚悟が持てると思いました。また、毎月の月謝について考える必要がなくなるため、お金のことを気にすることなく1年間を過ごせるようになると思いました。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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