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公認会計士・平林亮子と考える『あなたならどっち?』

「実質的な」年収が2倍になる方法…お金の使い方は、本当に価値がありますか?

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

 お金をいかに使うのか。ぜひ、そこにフォーカスしてみてください。「貯める」ことも「増やす」ことも大切ですが、使って初めてお金が生きるのです。お金を持っているだけで安心できる、という効能を否定はしませんが、結局どれだけ貯め込んでも安心できない、という結果に陥りやすいのも現実です。

「貯める」も「増やす」も、お金の使い方の選択肢のひとつ

 上手なお金の使い方が身につけば、自然と「貯める」や「増やす」も実践できるようになります。なぜなら、本当に価値のある使い方をしたい、と慎重にお金を使うようになれば、そもそも使う額が少なくなるからです。真剣に考えてみてください。生きるために本当に必要なものは何か。極端に突き詰めれば、ミニマリストに行き着くわけです。

 さらに「本当に欲しいものは何か?」と本気で問い始めると、お金が使えなくなります。今まで「欲しい」と思っていたものが、実はたいして欲しいものではなかった、ということに気づいてしまうからです。本当に欲しいものを必死で探してみれば、もっと満足度の高いお金の使い方を見つけることができます。

「貯める」も「増やす」も、要するに「お金を今使うのではなく将来使う」という選択なのです。貯めることや増やすこと自体が本来の目的ではありません。もし今、本当に悩みに悩み抜いてもやっぱり欲しい、というものがないのであれば、同じ金額を将来、より満足度の高い方法で使うほうが豊かになれるはず。それが「貯める」の本質です。

 なお、「増やす」のは、今、自分以上にお金を必要としていて、お金を生かしてくれる人や企業に託すという使い方だといえます。そう考えると、お金というのは、なんと使い勝手の良い、便利な道具なのでしょう。将来出会うかもしれない、より良い使い方のために、貯めておくことができるのですから。その間、誰かに託すこともできるのですから。

 食べ物は食べきらないと傷んでしまいますが、お金はそう簡単には傷みません。お金の時間価値や物価の変動などを考えると、お金も不変ではありませんし、究極的にはまったく価値を持たなくなる危険性もありますが……。さて、お金による満足度は数値化できませんが、問いかけてみる価値はあると思います。「この1万円は、1000円ランチ10日分と比べて、本当に意味のある出費なのか」と。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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