ビジネスジャーナル > マネーニュース > 住宅ローン借り入れに重要な注意点
NEW
深野康彦「あなたと家族と日本のための、お金の話」

今年、住宅ローン借り入れ&借り換えで「重要な注意点」…個人の借り入れが「損な状況」

文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー
今年、住宅ローン借り入れ&借り換えで「重要な注意点」…個人の借り入れが「損な状況」の画像1「Thinkstock」より

 例年、長期金利は年初から春先、または夏場にかけて低下していく傾向が強いのですが、2017年は違った動きとなりそうです。

 一つは米国の長期金利が大統領選挙後に急騰したうえ、米国の利上げ速度が早まる可能性が出てきたこと。もう一つは、日本銀行が昨年9月から始めた金融緩和強化の新しい枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」です。

 その詳細については数多くの解説がなされているため割愛しますが、日本銀行はこれまでの「通貨の量」から、伝統的な「金利の上下」に政策の基準を変化させたのです。もっとも大きなポイントは、長期金利を概ね「ゼロ%程度」で推移するよう、長期国債の買入れをコントロールすることです。

 2016年1月末にマイナス金利政策決定後、長期金利は夏場まで低下。概ねマイナス0.1%前後で推移し、同年7月上旬には瞬間マイナス0.3%まで低下したのです。マイナス金利政策導入により日銀にとって誤算だったのは、長期金利が短期金利よりも低下する状況となったこと。

 正常な状況では、金利は短期が低く、長期が高くなります。銀行は資金調達を「短期間・低金利」で、貸出を「長期間・高金利」で行い、その金利差が利益になるというわけです。先に述べたように、長期金利が短期金利を下回る状況が続けば銀行経営に大打撃を与えることから、昨年9月に長期金利が短期金利を下回らないような政策に転換したわけです。金利の正常化が見込まれ、銀行経営への打撃は最小限で済むことになりそうですが、個人の銀行借り入れにとってはマイナスとなり始めています。

 固定金利型の住宅ローンや事業性融資の返済期間の長いものは、長期金利に連動して融資金利は決定されます。2016年上半期は、長期金利の低下傾向が続いたため、融資期間の長い固定金利型の借入金利も低下の一途でした。

住宅ローンは長期固定

 住宅ローンを例にあげれば、全期間固定金利の「フラット35」の適用金利は0.9%(物件の90%融資のケース)、固定金利選択型の10年固定が0.35%(共に16年8月時点)などと、一昔前の定期預金並みの金利まで低下したのです。ちなみに、この金利が決まった当時の長期金利はマイナス0.25%前後。

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。

今年、住宅ローン借り入れ&借り換えで「重要な注意点」…個人の借り入れが「損な状況」のページです。ビジネスジャーナルは、マネー、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!