面倒な確定申告なしで「確実に」節税&豪華特産品ももらえる具体的方法
(4)特例申請書を提出する
寄付の都度、特例申請書を忘れずに提出しましょう。この申請書を提出しないと確定申告をしなければなりません。申請書は総務省のふるさと納税のサイトや(2)で記載したサイトに申請書のフォーマットをダウンロードできるページがありますので、そこから手に入れることができます。申請書の必要な個所に記載をし、各地方自治体に郵送しましょう。郵送先も同様のサイトで住所検索ができるため、そこで郵送先の住所を調べてみてください。
(5)お礼の品を受け取る
お礼の品がある場合、寄付金を申し込む際に特産品を選ぶ方法と、寄付を確認後に特産物のパンフレットと申込書が郵送され、ハガキなどで欲しい特産品を申し込む方法があります。手間を省くには、寄付と同時に特産品を申し込むほうがいいでしょう。
自己負担を2,000円にするための上限額の調べ方
自己負担が2,000円ですむようにするための、ふるさと納税の上限額の目安は住民税の「所得割×20%」で、具体的な目安額は前回掲載した通りです。もちろん、所得割の額がわかれば上限額の目安を計算することもできますが、所得割の額の調べ方の説明の前に、そもそも「所得割」とは何か、という点に少しだけ触れておきます。
住民税は住んでいる都道府県と市区町村に払う税金です。この税金は都道府県の運営、行政サービスの費用を住民で負担するために集められています。住民税の金額は「所得割」と「均等割」の2種類で構成されています。所得割とは、前年1~12月の所得金額に応じて計算される税金、均等割とは所得金額にかかわらず定額で発生する税金です。
住民税の所得割額は、現在のところ全国一律、所得の多寡にかかわらず10%です。所得税の最低税率が5%であるのに対し、住民税は10%ですから、所得税より住民税のほうが高いケースも多々あります。
さて、サラリーマンの方の所得割がいくらであるか確認するには、会社から5~6月頃に受け取る「特別徴収税額決定通知書」を見てください。これは、今年住民税をいくら納付しなければならないかを計算した結果を、個人の方に通知する書類です。この通知書に所得割の金額が記載されています。
厳密には、ふるさと納税をする際に入手可能な通知書は昨年度の所得に対する計算したものとなるため、今年度に適用される上限額と一致するものではありませんが、収入やライフスタイルが例年と大きく変わらない限りは、所得割額も大きく変動しないため、ひとつの目安として利用することが可能です。
また、前述した「さとふる」「ふるさとチョイス」といったウェブサイトの中に、上限額のシミュレーションができるページがあるので、それらを利用してみてもよいでしょう。なお、ふるさと納税をしたら翌年度の「特別徴収税額決定通知書」を確認するようにしてください。「税額控除」という欄にふるさと納税をしたことによって控除される金額が記載されますので、ちゃんと税金が減ったかを確認することができます。(人によっては「税額控除」の欄にふるさと納税以外の寄付金の控除や住宅ローン減税の控除などがある場合もあります。)
亮子「私は確定申告必須だから、特例は使えないみたい」
啓子「確定申告が必要な場合、ふるさと納税は『寄付金控除』として処理します。具体的な申告書の書き方が、総務省のウェブサイトに出ていますし、そんなに難しくありません」
亮子「納税先を自分の意思で選ぶことができるって、よく考えるとすごいことね。特典を楽しみにしつつ、納税者としての自覚を持つことができる」
啓子「ふるさと納税を通じて、自分たちの納めている税金について、みなさんにもっともっと知ってもらいたいです!」
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)