起業し、フジテレビとタイマン張るまでに。
『堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方』
(ソフトバンククリエイティブ)
長年、相場の世界で生きてきたなかで実感したことは、「成功体験よりも失敗体験のほうが役立つ」ということだという話を前回しましたが、これから何回かに分けて「具体的にどんな失敗をしてきたか?」を紹介していこうと思います。
今回は「相場の物色の流れの大切さ」についてですが、その前に前回の宿題です。
「業績が伸びる企業の株価は上がる、これは正しいでしょうか?」
すでに株価が安値から数倍、10倍などにまで大きく上がっていたり、PER(株価収益率)が100倍以上、PBR(株価純資産倍率)が10倍以上になっているなど、株価の割高感が著しいときは別ですが、基本的には「正しい」といえます。
PER、PBRの意味についてはネット検索で調べてください。自分で調べる姿勢でないと伸びません。でも、簡単に説明しておきましょう。ただ、慣れないとちょっと難しく感じるかもしれませんので、とりあえず飛ばして、もう少し株に慣れてから、再度お読みになってもいいと思います。
PERとは?
「企業が今期1年間で儲けると予想される1株当たりの利益に対して、その株が現在どれだけ評価されているかの尺度」
例えば、1株利益予想が10円で、株価が200円でしたら、200÷10=20倍ということになります。ちなみに4月27日時点の東証1部銘柄平均のPERは17.1倍です。理論上、今後儲けるであろう17年分の利益を、株価が織り込んでいる【編註:将来の動きや情報が、既に株価に反映されている】といえます(株価の説明では、この「織り込んでいる」という言葉はよく使われますので、覚えておいてください)。
PERが低ければ低いほど、「その銘柄は割安だ」と考えていいでしょう。ただ実際は、業種によってばらつきが出たり、資産売却など本業以外の特別な利益が要因で、1株利益が膨らんでしまうケースがあり、いろいろ複雑な面があります。とりあえずここでは、「PERが低ければ割安」とざっくりと考えていただければと思います。
上記の内容をそのまま当てはめると、PERが100倍というのは、100年分の利益を織り込んでいることになりますが、さすがに100年分は織り込みすぎのようで、マーケット関係者はPER100倍を上限水準と見る向きが多いようです。
PBRとは?
「前期の1株当たりの株主資産に対して、何倍の株価で買われているかの尺度」
1株当たりの株主資産とは、
「仮に会社が事業をやめて解散した場合、株主が受け取れるお金の理論上の金額」
です。例えば、1株当たりの株主資本が100円で、株価が40円でしたら、PBR は40÷100=0.4倍となります。「株価は解散価値に比べ60円割安」といえます。PBRも「低ければ割安」といえます。でも、さすがにこれが10倍以上なら割高でしょう。