ビジネスパーソンの副業として、資産運用の手段として、多くの人を惹きつけ続ける不動産投資。その新しい潮流として台頭しているのが、「リノベーション」だ。
空室の目立つ中古アパートを格安で買い取り、人気物件に生まれ変わらせる手法は、やり方によっては高い収益率で運営することができ、さらに高額で売却できるという大きなメリットがある。
この手法で大成功を収めている投資家で、『3年で年収1億円を稼ぐ 「再生」不動産投資』(ぱる出版)の著者である天野真吾さんに、リノベーション投資のキモを聞く連載「教えて、天野さん!」。
第3回となる今回は、リノベーション投資を始める上で避けて通れない「お金」についてうかがった。
天野さん!お金の借り方教えてください!
――今回は、不動産のリノベーション事業のお金回りのことについてうかがいます。空室の多い物件を入手して、リノベーションで魅力的な物件に生まれ変わらせて入居者を集める。結果として収益性の高い物件になり、売却する際も高額で売れることになるというのが天野さんの手法ですが、空室物件を事業目的で買うというのは、融資の審査が通りにくそうです。
天野真吾氏(以下、天野) これは金融機関によるところが大きいのと、融資のモデルにもよります。ここでお伝えすべきなのは、融資のモデルのほうでしょうね。
一般的に不動産投資で使われる融資は「アパートローン」と呼ばれるものです。これは会社員の方にとっては非常に使いやすいローンといえます。ほとんど社会的な属性で融資が通るかどうかが決まって、勤続3年以上である程度の年収と自己資金があれば、現状ではまず大丈夫です。
このローンの場合、金融機関は購入しようとしている物件の入居率にはさしてこだわりません。全空きであれば別ですが、空室率50~60%くらいであれば、あまり影響はないと思います。実際、私は空室率80%の物件でこのローンを使ったことがあります。
天野 もうひとつは「プロパーローン」と呼ばれるもので、これは間に保証会社が入らず、金融機関と顧客が直接契約するローンです。当然、焦げ付きのリスクは金融機関がすべて被ることになるので、融資は非常に下りにくい。
こちらは、借りる人の属性よりも、「計画通りに事業を達成して、貸したお金を返済してくれる人かどうか」というのが判断基準になるため、その人のそれまでの実績や人間性も加味されます。
そういう意味では、アパートローンで物件を買って、再生物件の実績を1、2棟つくった人が3棟目に大型物件を購入するときに使うローンといえるかもしれません。融資が下りにくい分、借りられるお金は大きいので。