素人でも月3万円積み立てで、自動的に20年後に1200万円貯まる方法?
その女性が口座を持っている銀行では、つみたてNISAの対象になる投資信託は、わずか3本だった。「日本株」「外国株」「グローバルバランス(日本と海外の株式と債券の組み合わせ)」と、わかりやすい。
月3万円ずつ積み立てたいという希望だったので、それぞれで1万円ずつ積み立てることをお勧めした。つみたてNISAの限度額は年40万円までなので、月3万3333円が限度というのも初心者には始めやすい。月3万円+ボーナス月5万円で、40万円を無駄なく使うプランもできる。
月3万円の積み立てが、20年後には1000万円を超える可能性も
もちろん投資信託の積立は、いつもうまくいくとは限らない。株式市場全体が落ち込んでいるとき、円高になって海外の株式も債券も(円に対して)値下がりしてしまったときは、利回りがマイナスになってしまうリスクもある。
でも、一度にまとめて買わず、毎月積み立てることでマイナスになるリスクは小さくなる。値段が下がったときも積立をやめないで続けることで、値段が戻ったときには、さらに利回りがよくなる。
仮に月3万円を20年間積み立てたとき、利回りが「0%」「3%」「5%」の場合の20年後の金額は、それぞれ以下のようになる。
0%:720万円
3%:981万円
5%:1217万円
過去10年の数字を見ると、20年間の利回りの平均が5%以上になる可能性は十分にあるといえる。「月3万円が20年後の1200万円」と思えば、投資が苦手、投資音痴を自称するあなたも、始めようと思いませんか?
つみたてNISAの始め方
具体的な始め方については次回詳しく書きたいので、今回は簡単なステップだけ紹介する。
(1)金融機関を選ぶ。
商品性に大きな差はないので、自分が口座を持っている銀行、証券会社で始めると簡単。
(2)専用口座を開く。
店頭、またはネットで申し込む。手続きにはマイナンバーと本人確認書類が必要。
(3)口座開設が完了するまで待つ。
申し込んでから、手続き完了まで1~3週間かかるとされている(税務上の確認のため)。
(4)投資信託を選ぶ。
(5)金額を決める。
積立最低金額は、金融機関によって違う。銀行は1万円以上のところが多いが1000円以上のところもある。ネット証券では100円からでできるところも。
(6)あとは、おまかせ。
銀行なら普通預金口座から、証券会社なら証券総合口座から、決めた額が、決めた投信に毎月自動的に振り替えられる。あとは、お金が増えて花が咲き、実が実るのを待つばかり。
というわけで、制度の細かいことは省いて「初心者が投資を始める」という目的から、つみたてNISAを、できるだけシンプルに具体的に説明してみました。詳しい制度や決まりなどは、金融庁のこちらのページで確認してください。
あとは行動あるのみ。種を蒔かない人は20年後も何も収穫できないよ。GOOD LUCK!
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)
※個人のお金の悩みに回答する「FP相談」を承っています。FP相談、および本記事に対するお問い合わせはこちらへ