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国税敗北で税法大改正
この事件で、国税が「あなたは日本に住んでいます。払いなさい」といった税額は約1330億円でした。長男は、これに延滞税を加えた約1600億円を納付していました。裁判は、「税回避が目的でも客観的な生活実態は消滅せず、納税義務はない」と結論付け、長男側が勝訴しました。国税を延滞すると利息が付きますが、還付のときも同様に利息が付きます。報道によると、還付加算金は400億円になり、約2000億円が還付されました。
この事件の前から、相続税法の改正に向けた動きはあったようですが、これを契機に大きく改正が行われます。お金持ちにとって不利な改正です。
改正された相続税法では、亡くなった人か相続した人のどちらかが日本に住んでいれば、日本で相続税の納税義務があり、また日本だけでなく海外にある財産もその対象となりました。相続時に海外に住んでいても、移住してから5年以内であれば、日本で相続税を納めなければいけなくなりました。さらに、近年ルールが厳しくなり、5年が10年になりました。つまり、日本の相続税や贈与税から逃れようと思ったら、海外に10年以上住んでいないといけないのです。
これだけ長ければ、日本を捨てる覚悟がないと、税逃れは実行できないのではないでしょうか。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)
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