子どもができても絶対に「共働き」はキープしなさい!生涯賃金で2億円の差+老後の収入1億円?
大損になる寿退社、子育て退社は「しない、させない」
拙著『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)でも詳しく解説していますが、安易な寿退社、子育て退社は3つの面で「大損」になります。
まず、正社員復職のチャンスを手放すということです。一度会社を辞めた人が、2歳の子を抱えて正社員の採用面接を受けて「時短勤務希望です」と告げても、おそらく採用してもらえないでしょう。しかし産休・育休を取得すれば、会社は確実にあなたを迎えてくれます(育休を理由とした解雇は法律上できません)。
次に、正社員のまま産休・育休したほうが、お金をたくさんもらえます。産休に入る前の収入の66%相当を産休期間(おおむね100日)、育休期間の最初の半年もらえます。育休半年経過後は50%にダウンするものの最大で子が2歳になるまでもらえます。これは自分の健康保険証を持っている人(基本的に正社員)が産休した場合と、自分が雇用保険に入っていた人が育休した場合の特権です。
実は「育休に入ったら無収入になる……」というような心配はないのです(ちなみにこれらの給付金は非課税なので、感覚的にはお休み前の80%くらいはもらえるイメージです)。
そして最後に「共働きで正社員を続けると、老後に笑う」ということがあります。夫婦がダブルで厚生年金を国からもらうと、専業主婦世帯と比べて年100万円くらい年金が増えます。女性の老後は平均24年以上あるので、これで2400万円有利ということです。またダブルで退職金を会社からもらうことになるので、夫ひとりの退職金に500~2000万円の上積みが実現します(水準は各社の条件で大きく異なる)。
夫婦合計の年金が約360万円と仮定し、老後が25年以上あるとすれば、退職金を含め「共働き正社員夫婦は老後に1億円もらう未来」が待っているのです。
働く女性は「辞めないこと」が、一番確実でお得になるマネープランの選択なのです。
ただしその交換条件は、男が「家事メン」「イクメン」になること
女性の多くは、上記の損得はうすうす理解しています。「寿退職したところで、彼の年収だけで2人で暮らせば、おこづかいは減るだけでキツい」ということはわかっているわけです。実際、寿退社、子育て退社をする女性は年々減少していることが統計からも明らかになっています。