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ダマされないための「儲けのカラクリ」 第19回

テレビ番組数、50年で半減〜予算低下&番組数減が、テレビの新たな可能性を切り開く?

文=坂口孝則/未来調達研究所取締役
テレビ番組数、50年で半減〜予算低下&番組数減が、テレビの新たな可能性を切り開く?の画像1「Thinkstock」より

 さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?

●テレビは死んだのか?

 テレビが死んだといわれている。

 単に影響力低下という意味か、あるいは広告収入低下という意味か、それとも視聴率低下という意味かわからないけれど、そう語る人は多い。私はテレビが終わったとは思っていないし、終わることはないだろう。

 規模やコストは徐々に低下するかもしれないけれど、ワールドカップの視聴率が50%を超える現状を見るにつけ、まだ私たちはテレビを必要としている。それに、当サイトでも上位ネタはテレビと無関係ではないし、芸能人ネタで埋め尽くされている。

 さて、私は先ほど「徐々に」と表現した。確かに、今でもテレビの存在感は大きいものの、その絶対性が陰っているのも事実だ。前日のテレビ番組が、職場の話題になるケースはあまりなくなったし、おそらく学校でもクラスの話題になる機会も減っただろう。

 私は、今ジレンマがあるように感じる。

 視聴者がさまざまなメディアやデバイスに触れられる(テレビ・ラジオ・雑誌・書籍・新聞・パソコン・スマホ・タブレット・ガラケー)時代とは、視聴者が「せっかち」になる時代でもある。ということは、例えばテレビであれば、番組が「つまらない」と思えば、すぐさまそこから逃げていく。

 しかし、テレビ局は番組制作コスト削減もあって、番組数を増やすわけにはいかない。昔ならまだしも、今では番組経費を極限にまで抑える(と出演している側の私もそう感じる)。できれば、低コスト・高視聴率の2時間もの番組を制作できれば最高だ。しかし、なかなかそううまくいくはずもなく、視聴者とテレビ制作側とのギャップが徐々に広がっていく。

 番組は多様にせねばならないのに、むしろ予算低下の時代にあっては、番組が絞られていくのではないか。それがさらに視聴者離れを少しずつ招いていく。

●テレビ番組数の劇的な減少

 この仮説が正しいか、調べてみた。

 6月10日の「時の記念日」に合わせて、時代をタイムスリップしてテレビ番組の推移を追ってみた(ところで、「時の記念日」6月10日を選択したのは半ば冗談であるものの、一つのサンプルとしてご覧いただきたい)。日にちを特定し、現在から50年前までのテレビ欄をチェックしてみた。

 これは、19時から22時始まり(23時終わり)のいわゆる「ゴールデンタイム」帯の東京キー局の番組数を調べたものだ。そこで、番組種類を次の通り分類してみた。

 ・ドラマ
 ・ニュース
 ・クイズ
 ・バラエティ
 ・アニメ
 ・映画
 ・情報
 ・歌
 ・スポーツ

 2013年6月10日は、

 ・ドラマ:3番組
 ・ニュース:1番組
 ・クイズ:1番組
 ・バラエティ:4番組
 ・アニメ:0番組
 ・映画:1番組
 ・情報:6番組
 ・歌:0番組
 ・スポーツ:0番組

の16番組だった。

 驚くのは、これに比較すること50年前、1963年6月10日の番組構成だ。

 ・ドラマ:10番組
 ・ニュース:2番組
 ・クイズ:0番組
 ・バラエティ:1番組
 ・アニメ:4番組
 ・映画:1番組
 ・情報:7番組
 ・歌:2番組
 ・スポーツ:3番組

と、実に30もの番組がゴールデンタイムに放映されていた。30分番組が多いとはいえ、ドラマがキー局合計で10番組も放映されているのは瞠目する。ちなみに、ドラマでいえば、83年には8本に減り、93年、2003年には4本になり、先ほど掲示した通り13年には3本に減る。

坂口孝則/未来調達研究所取締役

坂口孝則/未来調達研究所取締役

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。サプライチェーン分野の知識を使い、ものづくり領域の先端解説などを行う。
未来調達研究所

Twitter:@earthcream

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