お金に関する情報があふれる中、何が正解・不正解かを自分で判断できる力=「金融リテラシー」が、今まで以上に大切な時代です。さて、あなたは「金融リテラシー」がある方でしょうか。それとも、しっかり勉強しなくては……と思いつつ、まだ一歩踏み出せていないでしょうか。
そこで今回は、都道府県ごとの「金融リテラシー」に大きく差があることを紹介したいと思います。
金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査2022年」(2022年2月25日~3月14日、全国の18~79歳の個人3万人に実施)から、今回抜粋するのが、金融リテラシークイズへの回答。
家計管理、生活設計、金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、外部の知見の適切な活用、という5問(例:「一般に『人生の3大費用』といえば?」という問いに対して、複数の選択肢から「子の教育費、住宅購入費、老後の生活費」を選べば正解)について、3万人から回答を得て、都道府県別の得点が出ています。
ぜひ、住んでいる都道府県の点数をチェックしてみてください。
都道府県別「金融リテラシー」のトップ10は?
100点満点の金融リテラシークイズは、全国平均が50.6点でした。では、都道府県別で上位1~10位までを見てみましょう。
1位…奈良県(55.7点)
2位…香川県(55.3点)
3位…島根県(54.7点)
4位…徳島県(53.6点)
5位…千葉県(53.1点)以下2県が5位
5位…愛媛県(53.1点)
7位…長野県(52.4点)
8位…栃木県(52.2点)以下4県が8位
8位…滋賀県(52.2点)
8位…兵庫県(52.2点)
8位…山口県(52.2点)
同じ順位があったため、トップ10として11の都道府県を紹介しました。トップ3は、奈良県、香川県、島根県でした! 西日本エリアの方々が健闘しています。情報が集まりやすい東京都は、意外にもトップ10には入っていませんでした。
続いて、平均点(50.6点)以上の都道府県まで発表します。
12位…茨城県(51.9点)
13位…三重県(51.8点)
14位…和歌山県(51.7点)
15位…山形県(51.6点)以下2都県が15位
15位…東京都(51.6点)
17位…静岡県(51.5点)
18位…神奈川県(51.4点)
19位…新潟県(51.3点)
20位…広島県(51.2点)
21位…愛知県(50.6点)以下3府県が21位
21位…京都府(50.6点)
21位…岡山県(50.6点)
関東地方や中部地方が入ってきて、東京は15位でした。
平均点以上となり、21位までに入っていた都道府県にお住まいの方は、ちょっとうれしい気持ちになるかもしれません。ただし、住んでいるエリアの得点が高くても、自分自身に金融リテラシーがなければ、周囲とのギャップが大きくなるともいえます。
「ランクインはしていたけれど、金融リテラシーに自信がない」という方は、これを機会に、少しずつ金融について学んでみてはいかがでしょうか。周りに、実は詳しい人が多いかもしれません。
金融リテラシー「ワースト10」は?
次に、残念ながらワースト1~10位になった都道府県を発表します。
(ワースト順)
1位…沖縄県(46.0点)
2位…長崎県(46.8点)
3位…秋田県(47.0点)
4位…岩手県(47.8点)以下3県が4位
4位…群馬県(47.8点)
4位…鳥取県(47.8点)
7位…青森県(48.0点)
8位…佐賀県(48.1点)
9位…福岡県(48.2点)以下2県が9位
9位…大分県(48.2点)
ランクインしていた都道府県にお住まいの方は、ちょっと嫌な気分になってしまったかもしれません。とはいえ、お住まいのすべての人が金融リテラシーがないというわけでは決してありません。むしろ、自分に金融リテラシーがあれば、周りと差がつき、一目置かれる存在になれるともいえるのではないでしょうか。いいチャンスとも言えます!
中くらいの都道府県は?
ここまで自分の住んでいる都道府県が出てきていない方は、「うちはどれくらいだろう」と気になるでしょう。残念ながら平均点(50.6点)未満ではありますが、ワースト10ではなかった都道府県を上から順に紹介します。
24位…熊本県…50.5点
25位…埼玉県…50.1点
26位…山梨県…49.8点
27位…鹿児島県…49.6点
28位…福島県…49.4点
29位…宮崎県…49.4点
30位…北海道…49.3点
30位…岐阜県…49.3点
30位…高知県…49.3点
33位…大阪府…49.0点
34位…富山県…48.6点
34位…石川県…48.6点
36位…宮城県…48.4点
37位…福井県…48.4点
こちらの都道府県はあと少しで平均点を超えますので、次回はトップ10入りをしている可能性もあり! ですね。
「初心者向けマネー本」を1冊読んでみる
さて、お住まいの都道府県はいかがでしたか。
こちらは世の中に公開されている情報ですので、金融リテラシーが低めの都道府県は、もしかしたら詐欺集団に狙われやすいかもしれません。高齢の家族、親戚などが電話や訪問などで詐欺に遭わないように、より一層の心配りをしたいところです。
とはいえ、どの都道府県に住んでいても、金融リテラシーを身につけておくことは大切です。当サイトにたくさんある、こちらのようなマネー記事を少しずつ読んでいくことも効果的ですが、一度初心者さん向けのマネー本を1冊読むことも大変おすすめです。
薄く広くでもマネーの知識を幅広く得ることで、何かあったときに、どんな注意点があるのか、誰に聞けばよいかといったことがわかりやすくなるからです。詐欺に遭ったり、変な投資にチャレンジして失敗したり、無駄な支出をしたりすることも防ぐことができ、より効果的な方法で自分に必要なお金を増やしていけるはずです。
「金融リテラシー」というと、机の前に座って真面目に勉強するイメージがあるかもしれませんが、もっと気楽に、身近なことから始めてみましょう。
リアル書店やECサイトでマネー本を探してみたり、官公庁や銀行・証券会社のサイトにあるマネー関係の解説を読んだり、ネットで知らない言葉を検索してみたりと、金融関係の興味や知識を少しずつ広げるアクションに踏み出してみてください。
その積み重ねでお金が少しずつ増えていき、やりたいことをどんどん叶えられる近道になるのではないでしょうか。