資産運用、短期的変動に振り回され損しない方法?投資原本同額でも380万も利益に差
マーケットというのは、短期的には投資家心理で動き、長期的には企業業績に連動します。資産運用でなかなかうまくいかない一つの理由は、この投資家心理による短期的な変動に踊らされてしまうことにあります。株価というのは長期的には右肩上がりとなることを前提とすると、短期的に株価が下落することは投資家にとっては有利な状況なのですが、冷静な判断ができなければ自ら不利な状況に追い込んでしまうのです。
例えば、株価が上がりだすと市場につられて買い、下がると買わないまたは売りに出すという行動を取ったりします。しかし、これが運用で失敗する原因なのです。
この行動を回避するためにお勧めなのが、投信積立です。毎月一定金額で投資信託を購入する方法です。
●投資家心理に左右されないドルコスト平均法
まず、ここで「ドルコスト平均法」について説明をしたいと思います(冒頭の図を参照)。
これは、ある投資信託が1カ月目1万円、2カ月目1万5000円、3カ月目5000円、4カ月目1万円という値動きをしたとします。この投信を毎月3万円ずつ購入した場合と、3口ずつ購入した場合を比べたいと思います。
3万円ずつ購入した場合、4カ月間で購入できる口数はそれぞれ3口、2口、6口、3口となり、合計で14口買い付けることができます。ここでのポイントは、大きく値が上がった2カ月目には2口と少なく買い付け、大きく下がった3カ月目に6口買い付けることができることです。そして14口の平均買い付け単価は8571円となります。
一方、毎月3口ずつ購入した場合は冒頭の図のようになり、平均買い付け単価は1万円です。投資金額は両方とも同じ12万円なのですが、購入口数と平均買い付け単価に違いが生じます。
この毎月一定金額分購入する方法がドルコスト平均法で、高い時に少なく買い、安い時に多く買うことができるようになるのです。