仕事はちゃんとこなすべきだが、完璧を追求しすぎるのも考えものだろう。
ギリギリまで頑張ろうとして、間に合わなくなることもある。そうすると逆に「仕事がデキない」と評価されてしまうこともありえる。
完璧主義は損な一面を持っている。
例えば、ものつくりやクリエイティブの現場に携わる人は、「とにかく良いものを創ること」という精神を持っている。これは魂の欲求であって、この精神をなくしてしまえばただの抜け殻だ。
しかし、徹底的にやるということは相応に時間がかかるということであり、時間がかかるということは、自分の使う時間を犠牲にすることでもある。
自分の時間を犠牲にしてしまったがゆえに、体調を崩してしまったり、周囲の人間関係がうまくいかなくなってしまったという人も見かける。
創造性を高めるには、多様なものに触れることが必要だが、その多様性を運んでくれるのは周囲の人間関係だったりする。プライベート面でも、そして仕事面でも、完璧な仕事をするために自分の時間を犠牲にするのはマイナスなのだ。
しかし、質を求めるのは仕事人としての信念でもある。一体どうすればいいのだろうか?
本当に求められている「質」は何か、ということを定義しなおすのも一つだ。
“手抜き”の方法を伝授する『すごい手抜き』(佐々木正悟著、ワニブックス刊)では他人目線に立って、本当にそこまで(自分の考えている)「質」が必要なのかを客観的に見て、自分自身にアドバイスすることも重要だと述べられている。
手抜きというとネガティブなイメージを持たれやすいが、必要な「手抜き」は仕事にもプライベートにも良い影響を与えるものである。
「手抜き」というのは、真面目な人、頑張り屋な人ほど、抵抗があることだが、「完璧でなければ価値がなくなる」という思い込みを捨てること。ここぞというところで実力を発揮できる人は、ここぞでないところで巧みに力を抜いているものだ。
もちろん、「雑でもOK」という話をしているわけではない。クオリティの基準を決めておくなどして、一定の基準以上を満たせばOKといった工夫が必要なのは記しておこう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。