人前で話すとき、どうしても緊張してしまうという人は少なくないはずです。例えば会議のとき、面接のとき、好きな異性と話すとき…もしかしたら友達グループの中で発言ときにさえちょっと緊張しているという人もいるかもしれませんね。
しかし、緊張してしまうと、話がちゃんと組み立てられなかったり、自分でも何を言っているのか分からなくなったりしてしまいます。それはとても損なこと。あなたの考えや魅力はいつまで経っても伝わりませんし、むしろあがり症が原因で、周囲の人はあなたにマイナスイメージを抱いてしまうかもしれません。
『もうだいじょうぶ! 心臓がドキドキせず あがらずに話せるようになる本』(明日香出版社/刊)はコミュニケーションカウンセラーの新田祥子さんが、あがり症を脳の問題として捉え、しっかり相手に伝わる話し方と、円滑な会話の育み方を伝授する一冊。そのエッセンスをご紹介します。
■「あがり症」は場数を踏んでも治りません
よく「場数を踏めば緊張はなくなる」と言う人がいますが、場数を踏むだけではあがり症は克服できない、と新田さんは言います。
それはなぜか? あがり症というのは、脳が自己防衛するために行うプログラムだからです。他人からの評価に対する警戒心や過去にあがったことがあることから、「恥をかきたくない」「失敗したらどうしよう」という思考が生まれ、その思考がドキドキや震えなどの身体症状につながる、というのが新田さんが提唱している考え方です。
そのために、いくら場数を踏んでも負の学習にしかならず、いつまでたっても、あがり症を克服することができないのだそうです。
では、こうしたネガティブな反応を解決するためにはどうすればいいのでしょうか。
■ドキドキは強い感情から生じる
その方法は個々によって異なるそうですが、大事なのは、脳を安心感で満たすというマネジメントだそうです。
本の中では、最初のスピーチからドキドキせずに話す方法なども紹介されていますが、ここでは、「好きな異性に、ドキドキして話しかけることができない」というとき、どうすればドキドキせずに話しかけることができるのか、その方法について紹介してみましょう。
ドキドキなどの身体症状は強い感情から生じるので、まずは「好き」という感情の背景でイメージしている彼女との関係性に注目することがポイントとのこと。もし「恋人として付き合う関係」をイメージしているようであれば、「振られたらどうしよう」とか「自分を良く見せたい」などの防衛本能が働いてドキドキ感が強くなる。しかし「友だちになりたい」レベルであれば、防衛意識もそれほど働かないためドキドキ感もそれほど強くはならないそうです。
■あがり症で悩む人に、目からウロコの情報が満載
本の中では、人はなぜあがるのか、あがりとあがり症の違い、あがり症になりやすい性格、あがりと「脳」の関係などをはじめ、どうすればあがらずに話せるようになるのかについて、さまざまな視点から解決法が書かれています。