家族、友人、同僚…人との付き合い方で人生は豊かなものになる。人はひとりでは生きていけない。だからこそ、付き合う人を見る目を持ち、良い人間関係を作っていくことが重要となる。
『人を見る目を持つ』(梅島みよ/著、クロスメディア・パブリッシング/刊)は、「人を見る」「人を知る」ということをテーマに、70年間、ビジネスの第一線で働いてきた著者の梅島氏が気付いた仕事と人間関係のコツを紹介する一冊だ。
最近では、会社内や組織の中で、お互いの意見をはっきり言うことが勧められているが、それには人の話を「よく聴くこと」や「話を聴く姿勢や態度」がより一層大切と梅島氏は語る。言葉は自然と耳に入ってきやすいが、それが単なる「hear」ではいけない。「hear」は、ただ言葉の音が聞こえているだけのことが多く、重要な情報を逃してしまう。心をこめて相手の話の中身や心情などを真剣に受け止めて聴く「listen」であるべきだという。
話を聴くとき、うなずいて話し手に一息入れるチャンスを作るのは、聴き手の配慮だといえる。話し手にとって大きな安らぎを与えるからだ。
「うなずき」は、相手の話を聴いている、理解しているという信号のひとつ。特に、話し手が力点を置いたときや自分が大いに同意したときに「うなずき」があると、話し手は聴き手の反応を知って励まされる。ただし、話を聴いている間に、定期的にうなずく癖のある人は逆効果になってしまう。間の悪いうなずきは「話をきちんと聴いていない」という印象を与え、話し手に不信感を抱かせてしまうので注意しなければいけない。
うなずきだけでなく、言葉で相手を励ますこともできる。話が長くなると相手も疲れるので、聴き手は「お疲れではないでしょうか」と気配りをして、一息ついてお茶を飲んでもらう手配をし、「有益な話が大変参考になりました」と一言感謝を述べる。そして、手短に自分の感想を伝え、「勉強になりました」と一言付け加えるといいという。
ただし、聴き手は話し手よりも長くしゃべってはいけない。また、話し手の会話中に口をはさんだりしないこと。相手の話の腰を折ることになるからだ。
仕事もプライベートも充実したものにするためにも、話の聴き方や付き合う人を見る目を養うことは必要だ。お互いが気持よくコミュニケーションを取るためにもこういった作法に気をつけることが大切なのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。