一方、欧米で女性管理職が多いのには理由があります。人事権を行使できる立場のリーダーに女性活用の意識が根付いていることや、女性が管理職に就いても不都合がないようなシステムが用意されていることです。つまり、社内に女性管理職を登用するための仕組みが構築されているのです。この点に関して、日本は大きく後れを取っています。
●女性が活躍できる仕組みづくり
–日本は、今後どのような取り組みをしていくべきでしょうか?
今井 産前産後休業・育児休業などの福利厚生の充実も大切ですが、昇進に対する女性の意識改革が欠かせないと思います。女性の「管理職になりたい」という主体的な意欲を引き出すためには、異業種の女性社員と交流しながら学び合う活動がとても有効だと考えます。その点で、来年1月に開校する日本女子経営大学院は、女性リーダーを育成する環境が整っています。
–具体的には、どのようにして女性リーダーを育成するのでしょうか?
今井 学習効果を高めると同時に方向性を明確化するために、ロールモデルとなるような経験豊富な女性指導者(メンター)からのサポートが受けられます。当社の調査では、組織の中で女性が管理職やリーダーとして第一線で活躍していくためには、その成長を熱心にサポートし、見守ってくれる、よき相談相手としてのメンターの存在が重要であり、大きな意義をもっているという結果が出ています。
また、リーダーとして行動・実践するために必要なことは何かを考えさせるためのプログラムや、より実践に近いケーススタディや演習等のカリキュラムを用意しています。
–ありがとうございました。
今後、女性管理職が増加していくのに伴い、各企業には女性が働きやすい職場をつくることが、さらに強く求められることになるでしょう。女性が活躍することによって、日本経済が活性化してほしいと思います。
(文=尾藤克之/経営コンサルタント)