秋本氏は「竹生社長が親密な5人の女性に、同社のゴルフ場のモニター料として約2400万円を支払うなど、概算で5000万~6000万円の私的流用の疑いがある」と指摘した。モニター料など本来はない、無償のしろものだという。
お家騒動の背景は、かなり生臭い。同社は02年に米投資銀行のゴールドマン・サックスが買収した日東興業のゴルフ場運営子会社で、153コース(12年3月末)を持つ国内最大手。06年11月、東証1部市場に上場した。ところがゴールドマンは11年1月、間接子会社を通じて、保有する議決権比率44.8%の株式を売却して撤退した。
竹生社長は、日東興業で海外を含む名門ゴルフ場で支配人などを歴任し、03年からアコーディアのCEO(最高経営責任者)に、05年には社長になった。一方、仕掛けた側の秋本専務は、日東興業からゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンに移り、その後アコーディアの取締役最高ゴルフ場運営責任者となり、07年から専務執行役員を務めていた。
複雑に入り組むゴルフ場経営とその”親会社”
さらに、今年1月25日、同じく東証1部上場のゴルフ場運営会社、PGMホールディングスの臨時株主総会で、神田有宏氏(48)が新社長に就任した。神田氏はゴールドマンで、ゴルフ場買収の陣頭指揮を執った。その実績が評価され、アコーディアに取締役として派遣されたのだが、昨年5月、ゴールドマンとの提携解消で、アコーディアの取締役を退任した経緯がある。取締役執行役員だった神田氏が、アコーディア最大のライバルであるPGMのトップに座ったのである。
PGMは、ゴールドマンと競ってゴルフ場を買収してきた米投資ファンド・ローンスター傘下のゴルフ場運営会社。127コース(12年3月末)を持っており国内2位だ。ローンスターは、昨年11月、PGMをパチンコ・パチスロ機械大手の平和に売却。平和がPGMの80.48%の株式を保有している(11年12月末現在)。平和がアコーディアの取締役だった神田氏を、PGM社長に招聘したのである。