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そして、07年に平和を買収したのがパチスロ機メーカーのオリンピア(非上場)の石原昌幸会長(63)だ。平和の創業者、中島健吉氏から株式を譲り受けて新しいオーナーになった。筆頭株主である資産管理会社の石原ホールディングスや石原氏個人、親族を合わせて、石原一族が平和の株式の46.08%を保有している(11年9月末現在)。実は、石原氏はアコーディア株式の3.1%を持つ個人筆頭株主で、オリンピアも1.9%を保有する大株主だ(11年9月末現在)。
このことから石原氏が、神田氏をPGMの社長に起用した意図が透けて見えてくる。ズバリ、アコーディアの買収で両手に花、という腹づもりだ。
事実、秋本一郎専務と大株主のオリンピアら8株主は、4月26日、アコーディアに対し「秋本氏ら8人を取締役に選任することを求める株主提案をした」と発表した。6月予定の定時株主総会で、会社側が竹生道巨社長ら秋本氏以外の取締役の再任を提案した場合には反対するとしている。これは、竹生社長の退任を求める株主提案と言い替えることができよう。
対するアコーディア側も黙っておらず、反撃に出た。4月27日、平和の子会社であるPGMホールディングス側から経営統合に関する提案を受けていたと発表した。アコーディアは1月26日にPGM側から提案があり、両社は数回にわたり交渉。その後、3月22日にPGM側から交渉を凍結するとの申し入れがあったとしている。
アコーディアのリリースには「神田氏が竹生氏のスキャンダルを利用することにより、よりお金にかからない方法で(経営)統合できるとの発想になった」という発言が秋本氏からあったとしている。
つまり、統合交渉の凍結後、PGMと同じ平和の子会社で、アコーディアの株式を1.9%保有するオリンピアが、竹生道巨社長に経費の私的流用の疑いがあると指摘していたことになる。オリンピアが竹生社長の”告発”に動いた背景に「合併しろ」との要求があったことが今回、初めて明らかになったわけだ。
PGMの神田有宏社長は日本経済新聞の取材に応じ、「統合の提案は個人の立場でした。交渉の凍結はアコーディアのガバナンス(企業統治)に問題があったからだ」と説明した。6月の株主総会に向けて、もう一波乱も二波乱もありそうだ。
(文=編集部)
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