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東京五輪開催、人々の本音は?「景気回復」「交通混雑」「被災地復興の足かせ」

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「日本オリンピック委員会 HP」より
 9月7日、2020年の東京五輪開催が決定した。国際オリンピック委員会(IOC)の調査によれば、2013年3月時点での東京都民の五輪に対する支持率は70%。プレゼンテーション以外に、この支持率の高さも五輪開催地の決定を後押ししたようだが、開催決定後の現在、どれほどの都民の支持を集めているのだろうか? インターネット調査最大手・マクロミルの協力の下、全国の1000人にアンケートを実施。この調査結果から、東京オリンピックに対する世間の本音を見てみよう。


 ・調査期間:2013年09月17日(火) 〜2013年09月18日(水)
 ・調査方法:インターネット調査
 ・調査対象:マクロミルモニター会員 男性500人、女性500人 合計1000人

【調査結果】

Q.2020年の五輪開催地に東京が選ばれました。あなたはこれに賛成ですか? 反対ですか?

 1.賛成    60.9%
 2.反対    15.7%
 3.わからない 23.4%

【解説】

 IOC調査の70%には劣るものの、五輪開催に対して、過半数以上の人が支持を表明している。特に、1964年に開催された前回の東京五輪を知る60歳以上のうち、71.5%が賛成を表明しており、他の世代に比べて高い支持率を記録している。

●賛成派の意見

 賛成理由の中で最も目立つのが経済効果。「日本の景気回復につながれば」(50代・男性)、「景気浮揚につながる」(60代・男性)と、景気に対する起爆剤として五輪開催を求める声が多い。また、「将来の夢・目標がもてる」(50代・男性)、「気持ちが一つになれば」(40代・男性)と、前向きなマインドを形成するために五輪を求める声も。さらに「前回聖火ランナーに参加したが競技を直接見てみたい」(60代・男性)、「一生のうちに2度も見られるなんて幸せ」(60代・男性)といった60代の意見も多く見られた。

●反対派の意見

 一方、反対理由で多く見られるのが、招致の段階から懸念材料ともなっていた原発問題や被災地復興の問題。「五輪の前に東北の被災地や福島第一原発の処理や復興にお金を投入するべきだと思う」(40代・男性)、「被災地の復興に必要な土木・建築作業員が不足するから」(20代・男性)と、東日本大震災から2年半を経ても進まない復興をさらに遅らせる結果となることを心配する。サンプル数は63と少ないながら、東北地方在住者に絞った回答では、五輪開催賛成が54%、反対が19%。全国の他の地域と比べて、五輪開催に対しては支持率が1番低いことも判明した。

 このほかにも、「テロが怖い」(30代・女性)、「人が増えて治安が悪くなる」(20代・男性)と治安の悪化を不安視するコメントや、「東京と他の道府県との格差がさらに広がる」(30代・女性)、「交通機関の混雑が増大しそう」(40代・男性)、「五輪景気の後の不況がこわい」(20代・女性)といった懸念を表明する人々も少なからず存在している。

●「わからない」と回答した人たちの意見

 「わからない」と回答した人には、慎重な意見を記した人が多い。「一時的に景気が上向くかもしれないが、反動が予測できず怖いものがある」(60代・男性)、「経済の活性には良いことだとは思うが、被災地の復興も遅れているのに手放しで喜べない」(50代・女性)と、開催のメリットとデメリットを考慮しても決められない声が多い。

 また、「メディアも含めて東京近郊でしか盛り上がってない気がする」(40代・男性)、「地方に住む身としてはどれほどのメリットがあるのか謎」(40代・女性)という意見も少なくないものの、定量的には地方在住者でも、賛成派・反対派の比率はほとんど変わらない。首都圏以外でも、東京と同様の期待が持たれていることが浮かび上がる。

 一説には、五輪開催の経済効果は3兆円といわれている。また、経済効果のみならず、長い不景気に沈んだ日本経済を再生させる象徴として、あるいは震災・原発事故から立ち直った証しとして、五輪の開催は国際社会に日本をアピールするチャンスだ。しかし、反対意見にあるように、復興や原発廃炉などの問題がないがしろにされるのであれば本末転倒。山積する問題の一つ一つに解決の筋道をつけながら2020年を迎えたい。
(文=萩原雄太)

ネット調査最大手マクロミル