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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第15回

間違いだらけのスキンケア~高額ニキビ洗顔料で肌荒れ、美白・シミ消し化粧品のウソ

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(「写真素材 足成」より)
 生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析。配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップします。

 洗顔。シャンプー洗髪と同じく、どの洗顔料を選んでよいのかわからない、もしくはどれでも一緒だからと毎回適当に選んでいる、セッケンしか使わない、お湯で洗うだけ、水で洗うだけ……。

 このように洗顔は、そのスキンケアに個性が出るわけですが、きっちりとした洗顔方法はもちろん、そもそもの洗顔の意味、役割などをおさらいしつつ、洗顔料の選び方、スキンケアについて話をしていきましょう。

●間違った洗顔で老化促進

   洗顔方法。「別に年相応に老けて見えても、小じわが増えようが、それは生きた証し」「小さいことを気にするなんて男らしくねえ」という人には、まったくどうでもいいことです。毎日好きなように顔を洗い、適当に拭いていれば十分です。

 「やっぱり年齢より若く見られたい」「小じわはできる限り少ないほうがいい」そう思われる方は、洗顔をないがしろにしてはいけません。なんせ顔は体中の肌の中でも最も若さの象徴でありながら、最もダメージにさらされるという部分。日頃の手入れが5年後に必ず返ってきます。

 「そんなことわかっているから、いろいろ化粧水や乳液を塗っているんじゃないか」という方もいるかと思いますが、残念なことにスポンサーのしがらみから逃れることのできない女性誌などには、まともなスキンケアの話は載っておりません。それどころか医師免許のある人間までもが、化粧品会社の広告塔になって微妙な化粧品、洗顔料を宣伝していたりします。

 雑誌やテレビといった媒体はスポンサーありきなので、仕方がないことではありまして、仮に自分も「100万円あげるので、ヨイショ記事を書いてください」と言われれば、喜んで書くのですが、残念なことに、自分はこういった医学書や医学会の平均的動向を見つつ最大限ニュートラルな記事を信条としているので嫌われ者です。そして、この記事もどこの洗顔料のスポンサーも悲しいくらいに付いていないので、全面的に筆者の意見となります。

 さて、洗顔について、どうするのが正解であるか。どうするのがよいのか、皮膚科の本には当たり前に書いてあることなのですが、バイアス記事ばかりで本質はあまり一般に浸透していません。

 顔は体表の中では、手と並び最も外気にさらされ、ダメージが多いにもかかわらず、若さの象徴であるという相反することを求められる部位。体をタオルでゴシゴシ洗うだけの感覚では加齢は進行してしまいます、若さを保ち、実年齢より若く見られたいのであれば、ケアをしなければいけないのです。

 以下は以前、自分のメールマガジンでも紹介したのですが、洗顔の「べからず」です。

・強くこすらない

・落ちにくいメイク等は必ず専用のリムーバーを使う

・シャワーや高温のお湯で何度も洗わない(特に朝)

 なんだ、当たり前じゃないかと思われる人も多いでしょう。理由も併せて説明していきましょう。

 まず強くこすらない。これは皮膚というものが極めて弱い力で筋肉の上に乗っているからです。仮に皮膚に円く刃物で切れ込みを入れると、皮膚はミカンの皮よりも弱い力で剥がれてしまいます。想像しただけで痛い感じですが、それだけ皮膚というのは薄くもろいものです。当然我々は生きていますから、少しくらいずれてもすぐに再生して元に戻るのですが、指でゴシゴシとマッサージしたり、美顔ローラーなどといって顔に固い物をゴリゴリ押しつけるなど愚の骨頂です。一時期ゲルマニウムローラーなどが話題になりましたが、そもそもゲルマニウムには肌をきれいにする効果など微塵もありません。元素としては鉛に性質が近く、毒性もどっこいどっこいです。ゲルマニウムの有害性に関しては、話しだすときりがないので割愛します。気になる人は拙著で紹介しているので、ご覧になってください。

 次に、1日に1回、必ずしっかり汚れを落とすということです。ゴシゴシせずに、しっかり洗えというと、日本語的に矛盾していそうな気もしますが、皮膚は薄い組織で汚れがたまる部分も非常に浅く、それゆえ適切な洗浄剤を使って弱い力でゆっくりとやさしくこすれば十分にきれいになります。化粧品、特に水をはじくタイプのものは専用のリムーバーを使った上で洗浄し、そのあとしっかりと流して、汚れや化粧品はもちろん、洗浄剤もしっかり落とすことが大切です。

 特に肌の再生は夜間寝ている時に最も活発になるので、不眠や睡眠リズムの狂いはもとより、入眠前にしっかりと汚れを落とさないと正常な皮脂分泌が行われないどころか、常在菌のバランスの崩れや、アクネ菌の活発化によって肌の健康が損なわれます。風呂やシャワーは朝派という人も、洗顔だけはしっかりと行っていないと老ける一方です。

 シャワー洗顔や高温のお湯で何度も洗うのは、皮脂が過剰に落ちてしまうので、特に冬場は要注意です。夜しっかり洗って、朝も熱いお湯で洗っていては、皮膚に自然とある保護機能を壊してしまいます。せっかく夜間に整った皮膚の状態を朝の熱湯やシャワーで壊してしまってはもったいないといえます。

 以上の理由から、日本という環境においては、夜には風呂に入り、朝はぬるま湯か水で洗顔しましょうということになります。

●正しいスキンケアの三原則

 「べからず」に続いて「やるべきこと」これまた基本的です。

・汚れをしっかり落とす

・紫外線対策を万全にする

・保湿に十分気をつける

の3項目だけです。さらに美容方面に付け加えるのであれば、

・シミや日焼けは悪化する前になんとかする

・タバコを避ける

という感じになります。「なんだか当たり前すぎる」などと言わないでください。その当たり前があまりにできてない、あるいはできた気になっている人が多いのが問題なのです。