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“教育業界のニコ動”スクー、なぜ注目&急成長?「双方向性」取り入れ、堅実なマーケ戦略

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オンライン学校「スクー」のサイト
 8月以降、教育業界が騒がしい。大学受験予備校大手の代々木ゼミナール(運営会社:高宮学園)は、2015年度から全国に27ある校舎のうち20校を閉校すると発表。その一方で、長野県・軽井沢に全寮制の国際学校「インターナショナル・スクール・オブ・アジア(ISAK)」が開校した。少子高齢化、グローバル化が進む日本において、教育産業も大きな変革の時期を迎えている。そのような中で注目すべき企業がある。インターネット上で授業をリアルタイムに提供するプラットフォームビジネスを手掛けるスクーの社名は、「School(学校)」から最後の一文字を取って付けられた。「学習に卒業をなくしたい」という思いからだという。

 ネットによる授業動画提供サービスは、ほかにも数多く存在する。例えば、慶応義塾大学や米ハーバード大学など国内外問わず、大学の授業が動画で公開されているケースも増えた。コンピュータプログラムなどの講座を動画で提供している企業もある。また、「YouTube」や「Ustream」などの動画サイトを使って、企業経営者が経営論や自伝について語るものもある。

 では、数多く存在する教育系サービスの中で、なぜスクーは注目され、そして成長を続けているのか。今回はその理由について、同社代表取締役社長の森健志郎氏への取材をもとに探っていこう。

●なぜ、スクーは立ち上げに成功できたのか?

【成長の理由1:「Contents is first」の方針】

 スクーのようなサービスを立ち上げる場合、「質の高い魅力的なコンテンツを揃えること」と「サービスの認知度を広げること」を並行して進めていかなければならない。人材の数、労力、マーケティング費用などが必要なので、リソースが限られているベンチャー企業にとってはとても難しい。多くのベンチャーがこのハードルをクリアできず、アイデアはあるものの失敗してきた。

 まずスクーが取り組んだことは「魅力的なコンテンツをつくること」だった。森氏自ら家入一真氏をはじめとするIT起業家と交渉し、「起業家育成講座」に出演してもらったのだ。マーケティングコミュニケーション(広告)は、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアでの拡散を主に展開した。家入氏などIT起業家を起用したのは、魅力的なコンテンツづくりという面だけでなく、彼ら自身がソーシャルメディアで拡散力を持っているという面もあったからなのだろう。

 こうして質の高いコンテンツを揃える中、スクーは早い段階でベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けている。筆者が森氏に取材した14年8月の段階で、すでに2度の出資を受けていることからも、投資家からの期待度の高さが伺える。ちなみに、森氏にインタビューを行った2014年8月時点では、スクーは大きな広告展開を行っておらず、コンテンツの充実やスタジオなどの設備、スタッフの増員などに力を入れている段階だった。インタビュー当日も宇宙起業家を養成する特別カリキュラムを発表したばかりで、各主要ポータルサイトのトップニュースなどでも取り上げられていた。増資など将来に向けての準備は着々と行いつつ、立ち上げからムダのない運営を続けている。