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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

ナンセンスすぎる春秋の叙勲・勲章、呆れた内幕…受賞者の7割は公務員、功績無関係

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平成27年度文化勲章親授式(「内閣府 HP」より)
 政府栄典の適切な授与等について見直しを行う。見直しは2003年以来、13年ぶりとなる。各分野の有識者の意見を聴取し、栄典授与方針の検討に資するため、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会を開催する。


 栄典とは何か。日本には、栄典の具体的な制度として叙勲制度と褒章制度がある。これらの違いを理解している人は少ないだろう。叙勲は各界各層のあらゆる分野において国家や社会に対して功労のあった者を幅広く対象とする。一方、褒章は特定の分野についての善行を表彰するものだ。

 勲章には、旭日章、宝冠章、瑞宝章の3種類があり、それぞれ勲一等から勲八等までの8段階に分かれている。さらに、これらの上位に位置する勲章として、大勲位菊花章頸飾、大勲位菊花大綬章、勲一等旭日桐花大綬章がある。

 春秋叙勲ではそれぞれ約4500人、年間約9000人が受章する。叙勲の受賞年齢は原則として70歳以上となっている。ちなみに、ヨーロッパでは年間にイギリスが約1万2000人、フランスが1万1000人、ドイツが約7000人、イタリアが約1万4000人、ベルギーが約1万5000人の受章者となっている。

 一方、褒章には黄綬、紫綬、藍綬、紅綬、緑綬、紺綬の6種類があり、それぞれに対象となる分野が以下のように決められている。

・黄綬褒章―業務に精励して衆民の模範である者
・紫綬褒章―学術芸術上の発明改良創作に関して事績の著しい者
・藍綬褒章―公衆の利益を興した者または公同の事務に尽力した者
・紅綬褒章―自己の危難を顧みず人命を救助した者
・緑綬褒章―奉仕など徳行卓絶な者
・紺綬褒章―公益のため私財(500万円以上)を寄付した者

 このうち、黄綬、紫綬、藍綬の褒章は春秋の褒章として毎年2回授章が行われているが、紅綬、緑綬については事績の生じた都度に授章が行われていることになっており、実際にはほとんど授章は行われていない。褒章の受賞年齢は原則として55歳以上となっている。

政治や役人の世界で推薦ルートが確立


 今回の栄典の見直しに当たって焦点となるのは、叙勲、褒章の対象者をどのような基準で選ぶのか、という点だろう。