ビタミンCはアスコルビン酸ともいいます。レモン、みかんなどのかんきつ類、ピーマン、いちご、野菜、ブロッコリー、緑茶などに含まれています。ビタミンCが欠乏すると、壊血病、皮下出血、貧血などを起こします。普通の食事をしていれば、まず欠乏症は起こりません。
ビタミンEは、トコフェロールともいいます。小麦、玄米、卵、魚、豆類などに含まれています。ビタミンEは抗酸化作用(酸化防止作用)を持ち、これも普通に食事をしていれば欠乏症についてはあまり心配する必要はありません。
お菓子類、食肉製品、塩漬けの魚介類、かまぼこなどの魚肉練製品、果物の缶詰、果汁類を買う際には「原材料表示」の最後のほうをよく見ましょう。ビタミンC、アスコルビン酸、アスコルビン酸Na、V・Cのいずれかの表示がしてあれば、ビタミンCが合成酸化防止剤として添加されています。空気中の酸素により食品が酸化し、風味、色などが変化するのを防止するために添加されているのです。
これらは、「栄養強化のため」ということにすれば表示しなくてもよいことになっています。したがって、添加しているのに表示されていないことがあります。ビタミンCは水溶性と栄養学の教科書に書いてありますが、水に溶けない脂溶性のビタミンCもあります。これは合成品で天然には存在しませんが、食品への表示はなぜかビタミンC、もしくはV・C、アスコルビン酸でよいのです。
健康に良いと勘違い
油脂類、インスタント麺類(油脂で処理したものに限る)、フライ製品などの表示を見てみましょう。「原材料表示」の最後のほうに、酸化防止剤(ビタミンE、トコフェロール、V・Eのいずれか)と書いてあれば、大体は合成ビタミンEが添加されていると考えてよいのです。酸素により油脂が酸化するのを防ぐために添加されているのです。
なぜ「大体」なのかといえば、ビタミンEには天然のものもあるからです。しかし、天然のビタミンEは高価なので、安価な合成のものが使用されています。合成のビタミンEは、天然には存在しない異性体といわれるものが数十%含まれています。
酸化防止剤には、BHT、BHAという有名な合成酸化防止剤がありますが、これらは必ず表示が必要です。多くの消費者はBHT、BHAと表示されていれば警戒しますが、ビタミンC、ビタミンEなどと表示されていれば、かなり賢い消費者も警戒しないでしょう。それどころか、ビタミンが添加されているので健康に良いと勘違いして積極的に購入するかもしれません。