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本業終業後の副業バイト、法的に「残業」に該当=25%割増賃金を支払われなければならない

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「Thinkstock」より

 アベノミクスにより景気が上向きになったとの報道もよくみかけるが、庶民レベルではなかなか実感できず、収入を増やすために副業でもしようかと考えている人も多いだろう。

 実際に副業を始めようと思ったとき、働く先の候補に挙がりやすいのは、24時間営業のコンビニエンスストアや飲食店ではないだろうか。本業の就業時間前後に短時間でも働くことができるので、日中は会社勤めをするビジネスパーソンにも働きやすい職場である。

 このような副業をする際に覚えておきたいのが、「1日8時間以上の労働には、副業であっても残業代として割増賃金が適用される」ということだ。労働者にとってはうれしい限りだが、この残業代は本業と副業、どちらの企業が支払うべきなのだろうか。

 厚生労働省労働基準局監督課に問い合わせたところ、「法定時間外に使用した事業主は、労働基準法第37条に基づき、割増賃金を支払わなければならない」との見解を示した。

 たとえば、9時から18時まで本業とする企業に勤務し、19時から22時までコンビニエンスストアでアルバイトしたと仮定しよう。12時から13時までの1時間は昼休みをとり、かつコンビニには、副業として働く旨を報告しているものとする。

 労働基準法第38条では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定めてあり、このケースでは同条が適用されるというわけだ。

 通算すると、1日8時間を超える労働時間を雇用するコンビニ側が、賃金を割り増して払う必要がある。残業にかかる割増分は時給の1.25倍であるため、仮に時給1000円で契約している場合、1250円を支払わなければならない。

 では、本業の勤務前、朝5時から8時までアルバイトをする場合はどうか。副業の労働時間が先にスタートしているので、本業の就業時間のうち14時から18時までの労働が「残業」に当たるように思えるが、労働基準局によれば、この場合も割増賃金を負担しなければならないのはコンビニ側だという。すなわち、「通常は、当該労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主と解すべき」との見解だ。

 しかし、これは企業に雇用された「労働者」に対する決まりで、個人事業主には適用されない。たとえば、業務委託として、アフィリエイトやライター業を副業にしている場合は、超過労働をしても報酬を割り増して請求することはできない。

 現在、すでに副業が許されている企業勤務を本業とし、副業としてアルバイトをしている人は、「いまさら雇用主に申し立てても聞き入れてもらえない可能性がある」と思うかもしれない。だが、割増賃金未払いの企業には、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則があるので、交渉する余地はあるだろう。

 一方で、事前に副業であることを伝えてアルバイトをする場合、この罰則が適用されないように、そもそもの時給を安く抑えられてしまったら意味がない。現実問題としては、副業で割増賃金を獲得することは難しいのかもしれない。

 それでも、安倍晋三首相が「副業や兼業の普及」を提言していることもあり、今後は副業が全面的に解禁される方向に向かうのではないかとの見方も多い。そのときに正当な賃金を得られるように、正しい情報を把握しておきたいものである。
(文=OFFICE-SANGA)