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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

注文住宅高騰…基本性能向上を「理由」に過去5年で2割上昇、安い中小メーカーで十分?

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「Thinkstock」より

 大手住宅メーカーの注文住宅は5年前に比べて2割近く高くなった今、本当に自分たちに必要な住まいを考え直してみよう。

 大手住宅メーカーの注文住宅の1棟単価が上がり続けています。3000万円台後半から4000万円に達しつつありますが、その背景にあるのが住宅の基本性能の引上げによる中堅・中小との差別化戦略。そうした価格引上げのために付加された性能が本当に必要なのかどうか、自分たちのライフスタイルやライフステージ、将来設計などに応じてチェックしておいたほうがよさそうです。

中堅以下は下がっているのに大手だけ突出


 このところ、大手住宅メーカーの1棟単価が急上昇しています。決算資料から上位企業の例をみると、積水ハウスは2011年には3311万円だったのが、16年は3729万円。5年間で12.6%の上昇です。三井ホームは、12年上期には3460万円だったのが、16年上期は3960万円ですから、こちらは4年間で14.5%のアップです。また、大和ハウス工業は13年度には3110万円だったものが、15年度には3370万円ですから、2年間で8.4%の上昇です。

 いずれも年率数%のアップです。消費者物価、賃金などの伸びが停滞しているなか、大手住宅メーカーの注文住宅の上昇率だけが突出した観があります。

 それに対しては、「建築費が上がっているのだから仕方ない」という声が聞こえてきそうです。でも、本当にそうでしょうか。

 図表1にあるように、国土交通省の「建設工事費デフレーター」によると、実はこの5年間ほどの建設工事費上昇率はせいぜい3、4%程度にすぎません。3年ほどに限定すれば、ほぼ横ばいといっていい状態です。確かに、一時期は10%ほど上がった時期もありましたが、最近では鎮静化しています。この程度なら、企業努力によって吸収可能な範囲といってもいいでしょう。

 実際、中堅住宅メーカーの1棟単価はほとんど上がっていません。むしろ、2、3年前に比べて価格引下げを実現しているメーカーもあります。代表的な例としてタマホームの例をやはり決算資料からみると、16年5月期の平均が1784万円に対して、17年5月期は1745万円。2.2%とはいえ、1棟単価は下がっているのです。



大手の1棟単価はいよいよ4000万円台に


 しかも、大手住宅メーカーの単価引上げ傾向、今後はさらに拍車がかかりそうな情勢なのです。

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