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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

首相官邸、佐川氏逮捕を期待か…証人喚問で改ざん関与否定→衆院解散シナリオくすぶる

文=神澤志万/国会議員秘書

「さすがは財務省の組織力」と感心する声も

 では、近畿財務局はこのような籠池被告の言動を信じたのでしょうか? おそらく、信じてはいないと思います。それなら、「昭恵氏や諸先生方は、籠池氏に不当に安い金額で国有地を売却することを望んでいるのか?」と本省に確認したのでしょうか。これも、していないと思います。永田町の人間の感覚からすると、「するわけがない」というのが本音です。

 たとえ神澤がその立場でも、仲間や上司に「これって、本当ですかね?」と言うことはあっても、安倍首相や官邸に確認することはあり得ません。そのため、表沙汰になっていないだけで、似たような事例はほかにもたくさんあると思います。

 さすがに、暴力的だったりあまりにおかしな要求をしたりしてくれば相手にされませんが、籠池被告は顧問弁護士や顧問会計士を伴って何度も交渉していることが明らかになっています。そうなると、現場は「無理」とは言えないものです。国民目線では「なんで? 国家公務員って無能なの?」と思うかもしれませんが、作業の途中段階で現場の職員が「首相や官邸に確認」など、畏れ多くて絶対にできないことなのです。

 ただ、これほど大きな問題であれば、通常はとっくに内部告発者が出ています。それが今まで表面化していなかったことに、外務省の職員は「さすがの組織力だ!」と変なところで感心していました。さらに、こんなことを言っています。

「外務省やほかの官庁でこんな公文書改ざんがあったら、とっくに告発されているよ。ある意味、財務省の組織力があってこその行為だね」

 確かに「上司に指示されたら、その通りにせざるを得ない」という雰囲気はどの省庁にもありますが、「そのなかでも、特に財務省はすごい」という嫌みですね。

 もちろん、秘書もボスである国会議員に命じられれば、それに従わないという選択肢はありません。「従わない=秘書を辞める」ということですからね。

 つまり、この問題は、もともとは「籠池被告に振り回された国有地売却案件」だったのが、どこかで暴走してしまい「公文書改ざん」という方向に進んでしまったのです。

 だからこそ、安倍首相も「自分は潔白だ」という相当な自信があったため、「関係しているということになれば、総理も国会議員も辞める」と言ったのでしょう。それはそれで「潔い答弁だった」という見方もできますが、マスコミ対応や危機管理という観点からは、「最低の答弁」といわざるを得ません。せめて、自分の答弁が与える影響に想像力を働かせるべきだったといえるでしょう。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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