ダイエットサプリ販売のウソ「効果ないのに薬効を宣伝」
●これさえ飲んでおけばOK茶の真実
まずは最も胡散臭いのから。飲むだけでおなかの調子を整え、どんだけ食べてもこれさえ飲んでおけば太らない……というようなイメージ戦略で、マメやらコーヒーやら、チベットの山奥の植物やら、さまざまなものがお茶として売られています。
確かにお茶の中には消化吸収をよくする漢方的な働きをするものも少なくないですし、実際に、烏龍茶に含まれるウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)は、脂肪吸収に必要なリパーゼ活性の阻害剤として機能するらしく、便中の脂肪の割合が最大で約6%増えることが医学会でも知られています。これが「トクホ(特定保健用食品)」の由来らしく、そうした要素が脂肪の吸収を抑えるという薬効的謳い文句をしても大丈夫になるわけです。
ただ、普通に安売りされているようなウーロン茶にも十分なウーロン茶重合ポリフェノールは含まれており、トクホのものじゃなくても、十分。トクホウーロン茶を爆押しするサントリーは、2012年3月に消費者庁からキャッチコピーの改善要求という形でお叱りを受けていたりします。
さて、ウーロン茶にダイエット効果があるかはともかく、少量の脂肪吸収抑制効果があるのは事実ですが、だからといって油まみれの食事をしてもよいということではないところが大事な点です。しかし、トクホウーロン茶はまだマシな方で、それ以外のダイエット系お茶はなんの実験も根拠も科学的に効果が認められているものは売られていません。
すべて医学的な見地からのエビデンスが無いわけです。
要するに、販売会社が適当なことを言っていようが、その効能が本当だろうが、信用に値する情報としてどれも提示されていないということです。
「いやいやそんなことはない、◯×学会で発表とか言ってるし!」という反論もありましょう。ただ、学会で発表されただけで、正式に認可が下りたわけではないですし、そもそも論文は「論じるための文」で論文ですから、論文があるから信頼に値するというわけではないのです。
しかも、その論文とやらさえも、裏をとればサプリ会社が別名義で作った怪しいでっちあげ学会であることも大半です。