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広がる卵子凍結ビジネス最前線 具体的方法と経済的・肉体的負担、利用者の特性は?

文=編集部
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 とはいえ、桑山氏は積極的に卵子保存を勧めているわけではない。

「採卵には肉体的、経済的、そして精神的な痛みが伴います。また、高齢出産にもリスクがある。私たちは、できる限り情報を開示し、それでもどうしてもという女性に限り、卵子凍結を受け付けています」(同)

 同社に併設する「リプロセルフバンク」では、13年5月から未婚女性の卵子の凍結保存を行っていた。現在は、国内外への技術普及に注力するため卵子保存の新規受け付けは終了し(がん患者を除く)、すでに申込み分のみ保管しているが、情報発信には継続的に力を入れている。

 ある日、都内で開かれたセミナーでは、20~30代とおぼしき女性5~6人が集まり、同バンク所長の香川則子氏(37)の話に聞き入っていた。香川所長は、スクリーンに映し出されたグラフを指しながら「出産した女性全体のうち35~39歳は21%、40~44歳は3.5%です。この数字は第一子ではない出産も含まれていますから、初産となるともっと少ないでしょう」と説明する。女性人口全体あたりでは、40歳から44歳の出産はわずか0.8%だ。

 香川所長によると、出産に必要な卵子の数は、35歳で10個、40歳は50個と、年齢が上がるにつれて増加する。出産にタイムリミットを感じる女性にとって、厳しい現実だ。

●具体的な流れや経済的コスト

 同バンクでは、主に次のような流れで卵子凍結を行っている。

 まずは綿密なカウンセリングと適性検査を受け、提携先の医療機関で受診。採卵が可能か否を検査する。問題がなければ、ピルを飲んで月経周期を整え、しかるべき時期を見計らって採卵。超音波プローブ(超音波検査器具)の先に針をつけ、卵巣に刺して吸引する。無事に卵子が採れたら凍結保存に至る。原則として50歳の誕生日まで保存可能だ。

BusinessJournal編集部

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