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高野連、高校野球「支配」で巨額利益か 不祥事校の大会出場停止は異常?

文=平沼健/ジャーナリスト
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 例えば、全国高等学校総合体育大会(高校総体)などの会場では入場料はかからないが、高校野球では地方大会でも大人で500~700円程度の入場料がかかる。甲子園においては、外野席(アルプススタンド)で600円、内野席は1500~2000円もかかる。

 入場料を中心に、高野連の経常収益は春夏の甲子園での事業収入を中心に毎年6億円超となっている。今年のように大盛況だった場合は、7億円に届く可能性もある。2014年度末時点での正味財産(純資産)は14億円を超えている。一時期よりは減っているものの、大きな資産を持った法人であるといえる。

 高野連の運用を実質的に掌握しているといわれる4名の最高顧問は、参議院議員の松前達郎氏、朝日新聞社長の渡辺雅隆氏、毎日新聞社長の朝比奈豊氏、元日本高等学校野球連盟会長の脇村春夫氏だ。つまり、春夏の甲子園を主催する朝日新聞社や毎日新聞社の意向が強く働いているといえる。歴代の最高顧問にも、両新聞社の社長が名を連ねている。

不祥事の際の処分は各校に任せるべき?

 不祥事が起きた場合、厳密には高野連に処分権限はないが、高野連が処分内容を決めて日本学生野球協会へ上申している。同協会が最終決定をしているとはいえ、高野連の上申内容に沿った決定を下すことがほとんどで、実態としては高野連が処分しているのと同じだ。

 高野連が処分することについては、関係者から多くの批判意見が挙がっているが、高野連の元理事は高野連が一律の基準で判断することのメリットをこう語る。

「学校に判断を任せると判断がばらつく。例えば、4番でエースの子に甘くなったりする可能性がある。そうなると、グラウンドではフェアプレー精神を説いているのに、それを歪めることになる。高野連は多くの前例を基に判断している。保護者のクレームから学校を守る意味でも高野連が判断するべき」

 一方で、ある高校の関係者は「高野連の厳しい姿勢が高校球界を浄化してきたのは間違いないが、学校内でも処分を受けて高野連からも処罰されるのは、高校生にとって重すぎるのではないか」と疑問を投げかける。

 また、一定のガイドラインを設け、そのガイドラインに従って各校で処分し、社会的影響が大きいと判断される問題については高野連の判断を仰ぐという流れを提唱する意見も支持を集めている。

 現在、高野連加盟校で不祥事が起きた際の審議の流れとしては、学校はまず都道府県高野連へ報告し、同連盟が調査。続いて高野連の審議委員会へ報告し、同委員会で審議の後に日本学生野球協会審査室へ上申する。学生野球協会は日本学生野球憲章の処分規定に沿って処分を決定する。処分の種類は、重い順に除名、対外試合禁止、謹慎、警告となっている。

 対外試合禁止の処分は減る傾向にあるが、依然として「連帯責任」を求めるという高校野球の独自文化は根強い。高校球児に「清さ」を求める風潮がそうした文化を築いてきたわけだが、若者が一生懸命努力してきた結果を大人の事情で摘み取ってしまうようなことはあってはならない。
(文=平沼健/ジャーナリスト)

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