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「育休については、『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』が、その取得基準や取得する手続きなどを定めています。同法は『事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない』と定めています。
つまり、育休取得を理由に給与を下げる、昇進させない、といったことが禁止されるのはもちろん、『育休を取得するなら給与を下げる、昇進させない』などと育休取得を妨げることも厳禁とされています。
実際、『3カ月間の育休取得を理由に昇給や昇格がされなかったことは違法である』として、京都府京都市の看護師が病院を訴えた件において、15年12月16日、最高裁判所は『昇給・昇格を認めなかったのは違法である』とした大阪高等裁判所の判断を認め、いわゆるパタハラを違法と判断しています。このように、育休取得を妨害することは明らかに違法となります。
ただし、上記の法律は『育児休業』を『労働者が、その子を養育するためにする休業をいう』と規定しています。つまり、『労働者』だけが堂々と育休を取得できるという意味合いなのです」(山岸氏)
「労働者」とは、一般的に雇用主に雇用されて職務に従事する者を指す。その点、自民党の谷垣禎一幹事長は「議員は被雇用者と違う」と釘を刺しており、衆議院規則に育休規定がないのもそのためだ。
ただ、あくまで一般企業の例として考えれば、一社員が「育休を取りたい」と申し出ているにもかかわらず、上司および会社側がそれを妨げているような状況であることも事実だ。
また、安倍首相の側近ともいえる菅義偉内閣官房長官は、昨年12月の宮崎・金子夫婦の結婚披露宴で、「育休を取るための議員立法を超党派でつくったらいい」と、男性議員の育休取得を促すような発言をしている。
男性初の“育休議員”として、宮崎議員は名を残すことになるのか。それとも、パタハラに屈するのか。そのゆくえが注目される。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役・弁護士)
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