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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

飲み放題、なぜ店も客も得?一杯の原価はたった150円?店は損しない数字のカラクリ

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表
飲み放題、なぜ店も客も得?一杯の原価はたった150円?店は損しない数字のカラクリの画像1「Thinkstock」より

 まず最初に、「飲み放題の場合、客は平均で1人何杯くらい飲めるものなのか?」の分析から。

 私が東京・新宿で14年間経営していたダイニングバー(20坪30席)での宴会飲み放題データでは、「平均1人当たり4.5杯」になっています。2時間飲み放題、滞在2.5時間で、1杯あたりのボリュームは次のとおりです。

・中生:420ccグラスで実質容量(泡除くと)350cc
グラスワイン:150cc
・地酒:150cc
・焼酎:ロックベース90cc
・カクテルやハイボール:スピリッツやウイスキーを45cc使用

 ちゃんとした商品をちゃんとした容量で提供していましたので、これより少量で提供しているお店は、もうちょっと提供杯数は増えると思われます。

 ちなみに、これらのドリンクに含まれるアルコールは、次の通りです。

・中生:350cc×約5%=17.5cc
・グラスワイン:150cc×約13%=19.5cc
・日本酒:150cc×約16%=24cc
・焼酎:90cc×約25%=22.5cc
・カクテル:スピリッツ部分45cc×約40%=18cc(リキュールの場合はこれを下回る)

 よって、平均すると1杯当たり20cc前後のアルコールを摂取することになります。14年間のデータでは、すべての宴会の飲み放題が、3.5杯~5.5杯の中でおさまりました。個別に観察していると8杯以上飲む方が稀にいますが、例外なので目立っているだけで、平均値をとると4~5杯/人といったところに落ち着くことでしょう。

1杯当たりのコストはいくら?

 さらにもうひとつのデータとして、私は10年くらい前から毎月20~30人参加の「1人1本持込ワイン会」「1人1本持込日本酒会」を主催しています。ワインや日本酒好きな方々が1人1本持ち寄ってのお酒の会ですから「お酒好き」が集まります。

 そのような会で3時間飲んで、「ちょっとだけ」お酒は残ります。1人1本持ち寄りですから、1人ボトル1本弱飲んでいることになります。750ccのワインボトルの場合、150ccで割ると5杯分です。それがちょっと残るということは、1人当たり平均すると4.5~5杯くらい飲んでいることになります。ちなみに一般的なお店で提供されるグラスワインのボリュームは、お店や銘柄やグラスによって変わりますが、90cc~150ccの間で提供されていることが多いと思われます。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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