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老後、国民年金は月13万円…老後の収入を増やす方法、年金受給額4割増も

文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
老後、国民年金は月13万円…老後の収入を増やす方法、年金受給額4割増もの画像1「Thinkstock」より

 2017年10月24日付本連載記事『老後貧困の元凶!人生の3大無駄遣いを見直せ!老後の生命保険は無駄、車や住宅ローンは?』において、老後の不安を取除くために、老後生活の支出を減らすことについて言及しましたが、今回は老後生活の収入を増やす方法について説明したいと思います。

 会社員や公務員だった人は、基礎年金のほかに厚生年金ももらえるので、平均の年金額は夫婦2人(妻が専業主婦の場合)で月約22万円。それに比べて、夫婦とも国民年金のみに加入している人の年金額は、夫婦2人で月約13万円です。老後夫婦の最低予想生活費が月27万円かかることを考えると、どうみても年金が少ないと思われます。そのため、なんらかの方法で収入を増やすことを考える必要があります。

 年金を増やす方法として以下のものがありますが、年齢によって加入できるものと、できないものがあるので、年齢を区切って考えてみましょう。

(1)個人型確定拠出年金(IDeCo)

 まず、60歳まではIDeCoへの加入を考えましょう。受け取るときは「年金」「一時金」「併給」のいずれかになります。将来の収入が増えるし、掛け金全額が所得控除になるので、お得です。

(2)国民年金基金

 次に、国民年金だけに加入している人は、65歳までは国民年金基金への加入を考えましょう。国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金で、国民年金(老齢基礎年金)とのセットによって、自営業者など国民年金・第1号被保険者の老後の所得保障という役割を担うものです。厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけにしか加入していない自営業者等とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じるので、この年金額の差を解消するため、国民年金基金制度が1991年4月に創設されました。加入は口数や型によっていろいろあるので、自分に合ったものを選びましょう。この掛け金も全額所得控除になるので、所得税、住民税が少なくなります。

(3)年金の繰り下げ受給

 また、年金の繰り下げ受給を考えるのも良い方法です。通常65歳から受け取れる年金を70歳まで遅らせると、年金額は42%増えます。ただし、70歳まで年金の受け取りを遅らせると収入が途絶えることになりかねないので、年金がなくてもよい場合に限られます。

(4)シルバーセンターの利用

 年齢に関係なく、体力があれば働くこともできます。シルバーセンター等に行けば、自分の特技を生かした仕事が見つかるかもしれませんし、年を重ねたことによる経験を生かす仕事もあるかもしれません。それにわずかかもしれませんが年金も入ってくるので貯金をする必要もありません。若い時のようにたくさん稼ぐ必要はないのです。

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

(立教大学ドイツ文学科)卒業後研究室で副手を1年務め結婚。女児2人を出産し、下の子が3歳になったときに(中央大学法学部)に学士入学。法律の面白さに惹かれ、卒業後も勉強を続ける。宅建とFP試験に合格(CFP、宅地建物取引士)。その直後夫の赴任に伴いアメリカに約8年居住。帰国後FPとして働き始める。講演、相談、執筆を行う。その間、簡易裁判所、家庭裁判所で調停委員、参与員、司法委員を定年まで勤める。
著書:「100歳まで安心して暮らす生活設計」(共著)、「どっちがお得?定年後のお金」(共著) ‘高齢期のお金を考える会’メンバー。高齢者施設を多数見学し、高齢者施設の種類、内容、注意点、選び方等を勉強する。

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