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中曽根陽子の教育最前線

国の義務教育とは異なるオルタナティブスクールが、優秀な人材を量産している理由

文=中曽根陽子/教育ジャーナリスト

不登校の中学生が33人に1人、既存の学校だけが学ぶ場ではない

 平成28年度の問題行動・不登校調査で、小中学生の不登校(年間の欠席日数30日以上)児童生徒数は、小学生が3万488人、中学生は10万3325人と過去最多を記録。小学生で213人に1人、中学生にいたっては33人に1人が不登校となっています。

 不登校になったきっかけとして、「いじめ」や人間関係のトラブルより、「不安」と「無気力」が圧倒的に突出しています。「不安」や「無気力」のなかには、いろいろな状況があるでしょうが、少なくとも不登校になる子どもたちにとって、学校が魅力を感じられない場所になっているということでしょう。

 こうした事態に対応するために「教育機会確保法」が施行され、徐々にではありますが、多様な学びの選択が認められるようになってきてはいます。つまり、何がなんでも元の学校に戻すことを目指すのではなく、多様な学びの機会を認めようという動きです。

国の義務教育とは異なるオルタナティブスクールが、優秀な人材を量産している理由の画像1『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(中曽根陽子/晶文社)

 これまでも、日本の管理型教育に疑問を持ち、積極的に既存の学校を選択しない人もいましたが、あくまで少数派でした。しかし最近は、一般に、いわゆる国が定めた学校だけが学びの場ではないという考え方も、広がりつつあるのではないでしょうか。

 そういう人が選ぶのが、オルタナティブスクールです。オルタナティブスクールとは、日本では幼児教育から中等教育の期間において、従来の義務教育や学校制度とは異なる新しい運営制度、進級制度、教育科目を持つ教育体制という意味です。不登校の子どもが通うフリースクールやインターナショナルスクールも含んでいわれることがあります。

 これに対して、学校教育法の第一条に定められる学校を一条校といいますが、それに該当しない学校といってもいいでしょう(一部には、オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した「芸術としての教育」を実践しているシュタイナー学園のように、独自の教育を行いながら一条校になっているところもあります)。

中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表

中曽根陽子/教育ジャーナリスト、マザークエスト代表

教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『後悔しない中学受験』(晶文社出版)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)など著書多数。ビジネスジャーナルで「中曽根陽子の教育最前線」を連載中。

マザークエスト 中曽根陽子オフィシャルサイト

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