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伊調馨パワハラ騒動に残る疑問…「栄元監督は協会内の派閥争いに利用された」との声も

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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伊調馨パワハラ騒動に残る疑問…「栄元監督は協会内の派閥争いに利用された」との声もの画像1全日本選抜レスリング選手権大会 明治杯 パワハラ認定を受け謝罪会見を開き、頭を下げる栄和人氏(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 元日本レスリング協会強化本部長の栄和人氏(57)が6月14日、伊調馨選手へのパワハラ騒動が起こった後としては初めて、公の場に姿を見せ、謝罪会見を行った。栄氏は全日本選抜選手権(明治杯)に至学館大学レスリング部監督として参加。会見は大会開始の直前だった。栄氏は「伊調選手と田南部(力)コーチには深くお詫びしたい」と頭を下げ、協会の第三者委員会の調査報告で認定された伊調氏へのパワハラの原因について、「コミュニケーション不足」などと説明した。

 これを受け、あくまで筆者の主観だが、テレビ局、なかでもフジテレビは「待ってました」とばかりに一方的な栄氏へのバッシング報道を展開していた。

 15日、情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)は、「謝ってすむ問題ではない」と怒る田南部氏への電話取材の内容を報じた。「栄氏の思惑が透けて見えたので、謝罪申し入れを断った」というパネルを示しながら、「謝罪がない」と訴える音声を流した。ゲストのスポーツジャーナリスト小林信也氏が「かつては栄さんも選手に手が出たりした。(至学館大学の)谷岡(郁子)学長は、それを変えたのに、こんなことになったという忸怩たる思いだった」と言うと、小倉氏は「それから判断すると、栄さんは伊調選手が自分の袂から出て行った。その一点についての思いだったんでしょう」と言葉を強めた。だが、小林氏はそんな小倉氏のコメントにつながる発言をしていない。小倉氏の勝手な想像による“栄叩きありき”だと感じた。
 
 また、同日放送の『直撃LIVE グッディ! 』(同)では、内閣府への告発書にかかわった元日本代表コーチの安達巧氏がゲストとして出演。「パワハラに対する(栄氏の)認識は何も感じなかった」と主張し、「監督が不祥事を働いたのだから、選手の対外活動禁止などの処罰が下っていい」と言った。それなら、監督が暴力事件などを起こした高校の球児は、試合に出られないのか。

 さらに「日本大学のアメフト選手は試合に出られなくなった」とも発言。日大は試合中に選手が故意の反則で相手を負傷させたもので、まったく異質だ。さすがに同番組にも出演していた前出・小林氏も「あれは選手による危険行為」とコメントした。小林氏は放送中、ときに困り顔で安達氏の筋違い発言を遠慮がちに指摘していた。番組内では栄氏が謝罪で紙を読み上げたことも揶揄されていたが、「揚げ足を取られたくない」と慎重になるなら予め用意した紙を読むのは当然だし、その後、報道陣の質問にも応じている。

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