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なぜ高校野球部は才能ある選手を潰してしまうのか?

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下関国際高校に敗れ涙を流す創志学園高校の選手たち(写真:日刊スポーツ/アフロ)
 熱い戦いが、今年も阪神甲子園球場で繰り広げられている。


「夏の甲子園」こと全国高等学校野球選手権大会は100回目ということで、かつてのスター選手たちによる「レジェンド始球式」が毎日行われている。そのメンバーは、プロでも活躍した松井秀喜や桑田真澄をはじめ、「バンビ」と呼ばれた坂本佳一など、高校時代に甲子園を沸かせた元選手たちだ。その顔ぶれを見るだけでも、甲子園がどれだけ多くの逸材を輩出してきたかがわかるだろう。

 また、福山雅治がNHK高校野球中継テーマソング『甲子園』を書き下ろしたということもあり、さまざまな面で話題を集めている。

「甲子園が暑いのは当たり前」


 今年、特に注目を集めているのは「酷暑」の影響だ。今大会の地方予選は、西日本を中心に日本各地で記録を更新する高温が続く異常気象のなかで行われていた。熊本、埼玉、愛知などでは、応援に来ていた高校生が集団で熱中症になったり選手が体調を崩したりすることもあった。京都大会準々決勝では、京都府高等学校野球連盟が選手や審判の健康に配慮し、第3試合の開始時間を13時半から16時に、第4試合の開始時間を16時から18時半にそれぞれ変更する措置を取った。

 予選の時点で、酷暑による健康リスクは危惧されていたのである。そもそも真夏の甲子園は特に暑く、例年、グラウンド上の体感温度は40℃を超すともいわれる。繊維の技術革新により、身につけるだけで体温が下がる冷感インナーなども開発されてはいるが、プレーする高校生たちは生身の人間であり、ましてや10代だ。

 大会本部によると、開幕から9日間(8月5~13日)で熱中症や日射病の疑いがあるとして甲子園の救護室で手当てを受けた選手や観客らは計247人だった。球場に近い鳴尾支所で観測している最高気温は、14日までに30℃を下回ったことはない。

 日本高等学校野球連盟は、熱中症対策として大会本部などの判断で試合中に給水や休憩の時間を設けるほか、アルプス席にはミスト散水機を用意した。しかし、あとは各校の判断に任せるという。実際に判断を下すのは、現場では監督だろう。甲子園出場経験のある高校の野球部顧問は言う。

「勝つことが至上命令です。甲子園が暑いのは当たり前。そんなのわかっていますよ。だから、日頃から暑さに慣れておくことが必要なんです。うちでは時間を決めて給水はしていますが、個人的には水分は必要最小限に抑えたいです」

「その科学的根拠は?」との問いに、こう答えた。

「経験です。私の高校時代はこんなに暑くなかったともいわれますが、炎天下は炎天下。1日のうち昼飯のときしか水分は取りませんでしたが、それでも大丈夫でしたよ」

「経験」で、この酷暑を乗り切れというのだ。ちなみに、この顧問は42歳である。

「私は、2時間に一度は休憩を取らせています。そのときは強制的に給水をさせて、それ以外でも自分の判断でどんどん水分を取ったり休んだりさせています」

 こう語るのは、自身も甲子園出場経験のある50代の野球部顧問だ。彼は、中学時代に練習中のチームメイトが熱中症で倒れたのを見ていたという。

「顔が真っ赤でフラフラしていたのですが、監督は『たるんでる』の一言。ほかの選手も『たるんでいる選手にかかわりたくない』と思っていました。そうしたら、倒れてしまって。しばらく保健室で休んで、親が迎えに来て帰りましたが……」

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