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武神健之「優良健康文化をつくるために」

がん、免疫療法ブームに踊らされ「死なないため」に…やってはいけない病院選びの注意点

文=武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事
がん、免疫療法ブームに踊らされ「死なないため」に…やってはいけない病院選びの注意点の画像1「Gettyimages」より

 このたびの本庶佑先生のノーベル生理学・医学賞の受賞は、多くのがん患者や家族に大きな希望をもたらし得るものであり、がんの克服に向けた貴重な一歩となることが期待されています。そこで今回は、一般の方々が誤解しがちな免疫療法の注意点についてお話しさせていただきます。

 私は現在産業医ですが、もともとは外科専門医であり、腫瘍外科学を専攻し医学博士号を取りました。産業医のなかではがんに関する相談はしやすいためか、年間1000人の働く人との面談のなかには、がんになった方、治療経過中の方、そして命を落とす方、そのご家族等々いろいろな方がいらっしゃいます。

 がん患者さんとの産業医面談で私が一番に確認するのは、相談者が標準的治療を受けているのかということです。その後、本人やご家族のがん治療と就労への不安を取り除くことを中心に面談を行っています。

 そのなかで、ときに標準とは異なる治療方法を選択される方もいらっしゃいます。がんの治療に絶対はありませんので、どのような治療を選ぶかは本人の自由です。しかし、残念なことに、ワラにもすがる思いのがん患者さんから、本当に効果が実証されていない治療で、お金と時間を奪う医療があることも事実です。

 あなたやそのご家族が、不幸にも免疫療法の助けを求める状態になったとき、選ぶべき医療施設の探し方について独断と偏見で3点お話ししたいと思います。

選ぶべき施設の条件1:化学療法としてのひとつの方法が免疫療法の薬である

 まず、あなた(もしくは、ご家族)が仮にがんになったとき、「免疫療法+地名」で検索して出てくる医療機関の上位は、その多くは間違いなく、私はオススメしない医療機関でしょう。

 がんに対する治療は、この半世紀以上の間、世界中で莫大な資本のもと研究されています。そして、ほとんどのがんに対して、どのような治療方法がもっとも効果的かが検討され「標準的治療」として確立しています。もちろん、この標準的治療も時代とともに変わっていますが、いずれにおいても、真っ当な医療機関であれば、がんの治療は「手術+化学療法(抗がん剤)+放射線療法など」のなかからベストな方法を選択します。第1手段に免疫療法がくることはほとんどありません。

武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事

武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事

医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある

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