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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

高額な殺菌・消毒ボディソープは無意味?疼痛・かぶれ・水疱など皮膚障害の恐れも

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
高額な殺菌・消毒ボディソープは無意味?疼痛・かぶれ・水疱など皮膚障害の恐れもの画像1「Getty Images」より

「体のカビやにおいを洗い流す」という謳い文句の薬用ボディソープ薬用液体石鹸が、ドラッグストアなどで売られています。

 皮膚の清浄・殺菌・消毒などの効果がある医薬部外品であるため、250ミリリットルで2700円前後と高価です。しかし、こうした製品はまったく必要ありません。必要ないどころか、皮膚障害を起こす心配すらあるのです。

 これらの製品は、顔、手、足、脇の下、その他の体の皮膚に付着しているカビや細菌を殺菌成分によって除去し、体を清潔にするというものです。しかし、体の皮膚を殺菌・消毒する必要はありません。

 カビというと、餅やパンなどに生えて、それらを食べられなくしてしまう、あるいは風呂場に生えて不衛生な状態にするなど、人間に害を及ぼすイメージが強いでしょう。

 また細菌の場合、さまざまな病原菌が知られており、人間に感染症を引き起こすということで、これもイメージが悪いといえます。

 薬用ボディソープや薬用液体石鹸は、そんなカビや細菌を退治し、皮膚を清潔に保つというのですから、消費者の関心は高いようで、購入している人も多くいるでしょう。
 
 しかし、みんなから忌み嫌われているカビや細菌ですが、実は私たち人間の体は、カビと細菌だらけといった状態なのです。

 たとえば、腸内には大腸菌、乳酸菌、ビフィズス菌、ウェルシュ菌など100種類以上の細菌が棲息しています。これらは「腸内細菌」と呼ばれ、その数は100兆個以上であることがわかっています。

 人間の全細胞は約60兆個(新説では37兆個)ですから、腸の中だけで細胞よりも多い数の細菌が棲息しているのです。

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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