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米国、中間選挙を経て国全体がトランプ支持&プア・ホワイト優遇へ傾斜

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アメリカのドナルド・トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)
 アメリカの中間選挙の大勢が見えてきた。


 11月6日に投開票が行われた中間選挙は、上下両院議員および州知事などの選挙であり、4年に一度の大統領選挙の合間に行われるため、現政権の“通信簿”の意味合いを持つ。選挙前は上下両院で与党・共和党の議席が過半数を占めており、2年後の大統領選挙で再選を目指すドナルド・トランプ大統領にとっては、大きな試金石となる。

 事前の予想通り、上院では共和党が多数派を維持するものの、焦点となっていた下院では民主党が8年ぶりに多数派を奪還、ねじれ議会が生まれる見通しだ。今後は、野党による「ロシアゲート」の追及が激しくなることは必至で、トランプ大統領の弾劾訴追に向けた動きが出る可能性すらあるという。

 下院での民主党勝利は何を意味するのか。また、アメリカ経済や世界情勢への影響はいかに。経済評論家の渡邉哲也氏は以下のように語る。

「現在、アメリカは好景気を謳歌しているが、共和党が下院で敗北したことによって、政治的不安定を恐れて株価が下落する可能性が高い。同時に、アメリカの株価下落は世界の市場にも大きな影響を与えると思われる。ただし、下院で民主党が多数派政党になったところで、アメリカの対中戦略が大きく変わることはないだろう。

 共和党の主流派、グローバリスト、ネオコンと呼ばれる人たちは、すでに引退したり予備選挙で敗退したりしている。そのため、共和党の内部を見ればトランプ支持派が多くを占める格好となっており、政策にもトランプ色がより濃く打ち出されていくことは確実だ。トランプ大統領としても、今後は支持層に強く訴えかける必要があるため、さらに保守的な政策を掲げる可能性もある。

 ちなみに、民主党系でも『民主社会主義者』を名乗るバーニー・サンダース上院議員が圧倒的な支持を集めて再選しており、いわば“アメリカ版サヨク”が躍進している。それは中間派やグローバリストの排除を意味するわけで、今後もアメリカ全体がトランプ支持派である“プア・ホワイト”(白人の低所得者層)寄りに傾いていくのではないだろうか」(渡邉氏)

 貿易戦争の渦中にある米中は、11月末にアルゼンチンで行われる20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて、トランプ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談を開く予定であり、通商協議のゆくえが注目されている。

「先日、一部の米メディアが『トランプが複数の閣僚に対中貿易に関する合意案の作成を指示した』と報じたが、NEC(国家経済会議)のラリー・クドロー委員長が否定するなど、米中経済戦争は情報戦の様相を呈してきている。また、クドロー委員長は対中関係について『以前ほど楽観視していない』と語っており、協議の結果次第では中国製品にさらなる関税をかけることも示唆している。アメリカとしては、中国の景気悪化に巻き込まれないことが大切であり、『現時点でなんらかの合意をしてもメリットはない』というのが本音だろう。そのために、いわば逃げる時間が必要なのだ」(同)

 ねじれ議会となったアメリカは2年後の大統領選に向けてどう動くのか、目が離せない事態が続きそうだ。
(文=編集部)

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