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スルガ銀行、業務停止処分で経営危機に…ゆうちょ銀との「抜け駆け」住宅ローン提携の代償

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スルガ銀行本店(「Wikipedia」より)

 日本郵政傘下のゆうちょ銀行は10月9日、スルガ銀行の住宅ローンの仲介業務の一部を6カ月間停止すると発表した。金融庁がスルガ銀行に業務停止処分を下したことを受けての措置。本人が住む面積が建物全体の2分の1を下回る投資用不動産が対象。2019年4月12日まで顧客の申し込みを断る。目的別の消費者ローンについては、積極的な営業を当面、差し控える方針。カードローンは10月末に申し込みの受け付けを終了した。

 ゆうちょ銀行はスルガ銀行のローンの仲介業務について、社内に調査委員会を設けて不正の有無を精査している。スルガ銀行のローン審査子会社に送付する前に、ゆうちょ銀内で書類が改竄されていないかなどをチェックする。

 日本郵政の長門正貢社長は9月29日の定例記者会見で、ゆうちょ銀行が内部調査を実施していることを明らかにし、「今後は(ゆうちょ銀行の)調査(結果)などを見定めて判断する」とした。

 金融庁は10月5日、スルガ銀行に対し、投資用不動産向けの新規融資を対象に6カ月間の業務停止命令を出した。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を含む投資用不動産で、改竄された書類などに基づく不正融資が横行。それを経営陣も見過ごすなど、企業統治に重大な不備があったと判断した。顧客保護や法令順守の体制づくりを求めた。

 ただ、不正融資の件数は多く、融資が焦げ付く懸念は消えない。極端に投資用不動産に偏った事業モデルの再構築も難しく、スルガ銀行の信頼回復への道程は険しい。

 スルガ銀行の18年3月期末の貸出金は3兆2459億円で、このうち個人ローンは2兆9259億円と貸出金の実に90%を占める。ゆうちょ銀行の代理業務による住宅ローン実行額(年間)は356億円だった。 

 貸出金利回りは3.61%。18年3月期の地銀64行の貸出金利回りは前期比0.06ポイント低下して1.14%。マイナス金利の導入の影響で利回りが年々低下しているが、スルガ銀行だけは他行の3倍以上の高い利回りを確保していたことになる。

 個人ローンにシフトした結果、スルガ銀行は17年3月期まで5期連続で最高益を更新した。18年3月期はシェアハウス問題が表面化し、前期まで400億円を超えていた連結純利益は69億円にまで激減。18年4~6月期までに焦げ付きに備えた貸倒引当金717億円を計上した。

 個人に特化した投資用不動産向け融資を封印すると、スルガ銀行は収益の柱がなくなってしまう。6カ月間の業務停止命令の影響は甚大だ。

 スルガ銀行の19年3月期の連結純利益はどこまで落ち込むのか。14日に発表予定の18年4~9月期の連結最終損益は900~1000億円の赤字に転落する見通しだ。

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