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津田建二「IT/エレクトロニクス業界の動向」

ルネサスの経営は狂っている…相乗効果なき巨額買収を繰り返す、呉CEOに疑問広がる

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 インターシルが、ルネサス傘下に入ってこれまで通り、いやそれ以上に力を発揮できるかどうかは、ルネサスに対する理解度そのものと大きく関係する。ルネサスがインターシルを買収して何をしようとしているのか、どのようなビジョンを掲げてこの先インターシルを傘下に収めようとしているのか、ルネサスのトップはインターシルに何度も説明に出かけて行ったのだろうか? 買収される側はなぜ買収され、自分たちは何をどうしていけばよいのか、理解したのだろうか。少なくとも業績を見る限り、インターシルの買収はまだ成功したとはいえない。

相乗効果はまだ出ていない

 インターシルをまだ十分にマネージできていない状況で、ルネサスは今度は米IDTの買収を決めたのである。半導体業界の誰もが首をかしげている。IDTは、かつては高速SRAMを売りものにしてきて、最近では高速に同期をとるために欠かせないクロックICに注力しており、ルネサスの持つ自動車や産業向け半導体とはまったく異なる製品で、どう見ても相乗効果を生まないからだ。日本経済新聞はIDTが自動車用センサも持っていると報じたが、流体センサやガスセンサなどは、今後の自動車用半導体に必須のセンサとは考えにくい。自動車用センサが欲しいのであれば、IDTではなく自動車用センサに特化しているams(旧オーストリアマイクロシステムズ)を買うべきだった。

 どうしてもIDTと相乗効果を出すつもりでマネージするのなら、インターシルでもできたはずだ。ルネサスはなぜIDTを買収して、この先IDTをどうしようとしているのか、そのビジョンをIDT全社員が理解し納得できるまで説明したのだろうか。しかもCEOや社長しかその説明はできない。IDTの社員や社長は、買収した企業の社長が十分理解できる説明を行い、社長ならそれができると思っているからだ。呉CEOが米国のIDTに駐在あるいは長期出張したという事実はないようだ。IDTを買収しても、インターシルと同じように放置しておくのなら相乗効果は出そうにない。

 では、なぜIDTを7200億円も銀行から借金をしてまで買収したのか。うがった見方かもしれないが、数年前にルネサスを退社したある元社員は、「売上が落ちているから、買収して見かけ上、売上を増やし、逃げ切るのではないか」と言う。つまり、売上の落ち込みを補うために、どこでもよいから買えるくらいの値段で買えるところを買ってしまえ、ということだ。「呉CEOは売上を伸ばし成長させた、という実績をつくって、ほかの会社に移るのではないか」と勘繰っているのである。「しかもルネサスは大きな借金を背負わされたため、開発費はゼロになりエンジニアのやる気はまったくなくなるだろう」とさえこの元社員は述べている。

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