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村井英一「お金の健康法」

画期的な高額がん治療、健康保険制度を圧迫…「保険診療の対象外化」の議論も

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「Gettyimages」より

 12月10日にノーベル賞の授与式が行われ、本庶佑京都大学名誉教授が医学生理学賞を受賞しました。がんの新たな治療法への貢献が受賞の理由です。その研究を基に開発された、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」はよく知られる存在となりました。同様の医薬品も相次いで開発され、免疫療法は、外科的手術、抗がん剤療養、放射線治療に次ぐ、がんの第4の治療法になりつつあります。

3,500万円の治療費でも、自己負担は110万円

 がん治療法の開発は、一方で私たちに新たな問題を突き付けています。治療のための費用の問題です。オプジーボは、今年11月に薬品の価格が大きく引き下げられました。それでも1回42万円かかり、治療には年間1,000万円程度が必要になります。1回5,000万円、1億円かかるという新薬も登場しています。

 健康保険で3割負担だったとしても、かなりの負担になると思いきや、実際はそれほどではありません。健康保険には「高額療養費」という制度があり、一定額までの負担に抑えられるからです。オプジーボの例でいえば、薬価引き下げまでは年間3,500万円程度の医療費が必要でした。しかし、一般的な収入のサラリーマン家庭であれば、患者の自己負担は年間で110~210万円程度となります。70歳以上であれば、70万円程度で収まります。けっして軽い負担ではありませんが、薬の価格と比べるとかなりの少額です。残りは勤務先の健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)、自治体の国民健康保険などが負担しています。

安全性と治療効果が確認されると、保険診療の対象になる

 日本の医療保険制度では、保険診療の対象になると、一定額までの負担で利用できるようになっています。一方、保険診療の対象にならない治療を行うと、その治療だけでなく、本来なら保険診療の対象となる治療も含め、すべての医療費が自己負担となります。一部に、例外として「先進医療」「選定療養」とされるものは、その部分だけは自己負担となります。先進医療には、がんの陽子線治療、選定療養には差額ベッド代などがあります。

 基本的には、安全性と治療の効果が確認されると、高額の治療でも保険診療の対象となります。治療費用が高いから保険診療の対象にならない、ということはありません。がんの陽子線治療のなかでも、一部のがんについては今年の4月から保険適用となっており、それまでは300万円もした治療費が、月額9万円程度の負担で受けられるようになりました。

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