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日産ゴーン氏保釈、「無罪」という特捜部の“悪夢”も…想定外の展開で検察が窮地に

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保釈後のゴーン被告、弁護士事務所から移動(写真:ロイター/アフロ)

 金融商品取引法違反と会社法違反の容疑で起訴されていた日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が6日、東京地裁に保釈保証金10億円を納付し、東京拘置所から保釈された。

 ゴーン氏は昨年11月に金商法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、12月10日には直近3年間の報酬約40億円を過少記載していた疑いで再逮捕された。その後、同20日に特捜部は勾留期限の延長を求めたものの、東京地裁がこれを認めず、一時はゴーン氏が保釈される可能性も取り沙汰されたが、特捜部は同21日に会社法違反(特別背任)容疑でゴーン氏を逮捕した。

 すでに特捜部はゴーン氏を起訴しているが、“無罪請負人”の異名を持つ弘中惇一郎弁護士がゴーン氏の弁護人に就任し、今月に入り保釈を請求。東京地裁の判断が注目されていたが、5日に東京地裁は保釈を認め、特捜部は準抗告したものの東京地裁はこれを退け、6日の保釈となった。

 被告が否認しているなかで公判前整理手続き前に保釈が認められるのは異例だと報じられているが、刑事裁判に詳しい弁護士は語る。

「当初特捜部は、まず金商法違反で逮捕してから十分に時間をかけて特別背任の証拠集めを進める予定だったものの、再逮捕後の昨年12月に勾留延長が却下されたことで、慌てて特別背任で逮捕、起訴したとみられ、有罪へ持ち込む100%の自信は持っていないように思えます。さらに、ゴーン氏が弘中氏という大物弁護士をつけ、自宅への監視カメラ設置などを条件につけることで保釈を勝ち取ったことも、特捜部にとっては誤算だったことも間違いないでしょう」

 舞台は裁判に移ることになるが、今後の展開について同弁護士は語る。

「焦点は特別背任かどうかが問われている会社法違反のほうです。まず、ゴーン氏が私的な投資の損失を日産に付け替えたとする疑いについて、ゴーン氏は『日産に戻すつもりだった。日産に実損を与えていない』と否認。もう一つの、外資系銀行から自身の資産管理会社への信用保証を得られるよう知人のサウジアラビア人に協力してもらった見返りに、その報酬として日産の子会社から販売促進費の名目で約16億円を入金させた疑いについても、ゴーン氏は日産のロビー活動などへの正当な支出だったとして、こちらも否認しています。

 この2つについては、特捜部がどれだけ証拠を押さえているか、そして裁判所がどのように判断するのか、蓋を開けてみないとわかりません。全面的に有罪となる可能性があるともいえるし、一部もしくはすべての面で罪が認定されない可能性もあるともいえる。もし後者となれば、世間的には“無罪”という捉え方をされるでしょうから、大物外国人を逮捕してこれだけ世間を騒がせてしまった以上、特捜部にとっては、まさしく権威失墜の悪夢となるでしょう。想定外の展開となり、検察が窮地に立たされているともいえます」

 今後、ゴーン氏がどのような主張を展開するのか、さらには西川廣人社長をはじめとする現日産経営陣と直接対峙する場面が出てくるのかが、注目される。
(文=編集部)

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