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繰り上げ合格者数、臨床研修希望者から見える、名門「慈恵医大」人気の凋落

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慈恵医科大学付属病院の人気も急落

 偏差値74で私立医大ランキング2位の東京慈恵会医科大学(慈恵医科大)も定員110名に対して正規合格者は165名だったが、すでに82名の繰り上げ合格者を出している。昨年は103名、17年は102名、16年は151名、15年は184名が繰り上げ合格となったが、実際に入学した人数は募集定員とほぼぴったりなのだから、入試担当者の先読み力はもはや神業としか思えない。以前、当サイトに慈恵医科大が立たされている苦境を内部告発した関係者は次のように語る【参考記事「慈恵医大の闇を関係者が告発」】。

「今は定員110名ですが、以前は40名とか30名のときもあったし、定員10名なんて時代もあったそうです。最近は合格しても入学辞退する受験生が増えていますが、以前は慶応医学部に合格してもそれを蹴って慈恵に入学する学生もいて、それが普通だったんですけどね。慶応でさえ繰り上げ合格を出すんですから、私立医大御三家というブランドだけじゃ通用しない時代だということです。そのためにも理事長と学長を一新する必要があるんです」

 長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授の永田宏氏(医療情報学)もこんな興味深い話をしてくれた。

「2018年度の前期臨床研修のマッチングで、慈恵が希望者を大きく減らしています。中間報告の第一希望者数は、医学生による病院の人気投票のようなものです。例えば中間集計で第一希望者の人数を見ると、慈恵は昨年度の27位から90位までランクを下げました。また、最終的なマッチング結果は、44人の募集に対してたった24人。しかも、慈恵出身者は9人に留まっています。なぜこういう結果になったか理由はわかりませんが、医学生のあいだでは、慈恵医科大学付属病院の人気が急落しているのは確かですね」

 前期臨床研修というのは、医師国家試験に合格した医学部6年生を対象に、大学付属病院と厚生労働省が認めた臨床研修病院(市中病院)で2年間研修させる制度。以前のインターンと違い給料も出るが、大学病院は薄給で、市中病院の方が高給。その影響もあってなのか、学生も自分の出身大学の付属病院ではなく、他大学の付属病院や、市中病院を選ぶ傾向が続いている。

 2018年度の研修希望者(医学部6年生)が第一希望として選んだ病院を1位から100位までランキングしたところ、1位は東京大学医学部付属病院、2位は東京医科歯科大学医学部付属病院、3位は国家公務員共済組合連合会虎の門病院、4位は聖路加国際病院、5位は京都大学医学部付属病院と続き、慶應義塾大学病院は36位、日本医科大学付属病院が53位で、東京慈恵会医科大学付属病院は90位だった。

 ちなみに、最終的なマッチング結果(病院側の募集定員にマッチした学生側の希望者)を見ると、慈恵医科大学付属病院は募集定員44名に対し、希望者は24名で、24名中の自大学出身者は9名で66位だった。2014年14位、2015年24位、2016年26位、2017年37位と年々順位を下げている。慶応大学病院は募集定員60名に対し、希望者は60名で、60名中の自大学出身者は13名で3年連続の1位。日本医大付属病院も募集定員56名に対し、希望者は54名で、54名中の自大学出身者は44名で17位だった。

 受験でも臨床研修でも、重要なのは学生と大学とのマッチング。受験生にとっては4月まであとわずかしかないが、ぎりぎりまで諦めず、繰り上げ合格で「桜咲く」の連絡が届くことを祈りたい。
(文=兜森 衛)

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