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バーガーキング、マックが「ギガビッグマック」等投入で“お株を奪われ”存在意義揺らぐ

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

マック復活で存在感喪失

 BKJは10年に韓国ロッテグループの韓国ロッテリアに100円で買収され子会社となっていたが、事業拡大が進まない状況を受け、米バーガーキングは日本での運営権を香港の投資ファンド、アフィニティ・エクイティ・パートナーズに譲渡し、同社が前出のBKJHDを設立、日本での事業拡大を目指した。そして今回、22店舗を閉鎖して20店舗を新たに出店し、再び攻勢をかけたい考えだ。

 だが、状況は厳しさが増している。特にマクドナルドの復活が大きいだろう。鶏肉問題でどん底に沈んだが、15年12月期を底に売上高は右肩上がりで増えている。新商品を矢継ぎ早に投入したほか、バーガー総選挙と名付けた商品の人気投票や、「マック」と「マクド」のどちらが愛着のある愛称かを競う対決キャンペーンを行うなど、話題性のある施策を繰り出したことが奏功した。また、積極的な改装を実施したことも奏功している。

 こうして復活を果たしたマクドナルドの陰に隠れてしまい、バーガーキングは存在感を発揮できなくなっている。

 マクドナルドがバーガーキングのお株を奪っている面もある。バーガーキングの売りのひとつにハンバーガーのボリュームがあるが、マクドナルドは「ギガビッグマック」や「倍バーガー」などボリュームのあるハンバーガーを販売するなどしている。バーガーキングに行かなくても、マクドナルドでボリュームのあるハンバーガーが食べられるようになっているのだ。

 こうしてバーガーキングは厳しい状況に置かれているわけだが、今回の店舗閉鎖と新規出店で突破口を開きたいところだ。閉鎖が発表された22店は大半が2013年以前にオープンしており、老朽化している店舗が少なくない。改装しても採算性の改善が見込めないのであれば、閉鎖してほかの場所で勝負するというのは合理的だ。いずれにせよ、心機一転して競合との勝負に挑みたい考えだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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