結局、何を発表したいのか、まったくわからない会見だった。第4の携帯キャリアとして注目を集める楽天モバイル。10月1日のサービス開始を前に「ついに料金プランの発表か」と囁かれていた9月6日の記者会見で、楽天の三木谷浩史社長は「ほかのキャリアはマネできない料金体系になるのではないかな」という意味不明な発表を行った。設置が難航しているとの観測が出ていた基地局や、データセンターをつなぐ光ファイバー網も「予定通り9月末には敷設が完了する」「すべてはスケジュール通り」というのだが、「本格サービスは来年3月までに行う」という実質的な延期宣言だった。いったいどうなっているのか。
「ほかのキャリアにマネできない料金プラン」
「(料金プランの発表などは)安定稼働が確認できた段階で速やかに実施する。それはもしかすると1カ月後か、3カ月後かもしれない。これは競争の話なので。料金プランはほかのキャリアはマネできない料金体系になるのではないかな」
6日の記者会見で三木谷社長は本格的なサービス開始や料金プランに関して、こう語った。会場からは、「そもそも楽天モバイルは寡占状態の携帯キャリア業界を解消するために、国から認可を得たはず。このまま本格サービスが遅れ、料金プランが発表されなければそれができないのでは」との質問も飛び出した。
それに対して、三木谷社長は強気の姿勢を崩さなかった。
「それは我々の料金発表を待ってほしい。各携帯キャリアは楽天モバイルを警戒した体制だ。彼らの警戒心があるからこそ、すでに価格が下がる効果が出ている。年内にはどうにかできれば良いと思っている。年内にもユーザーの本格的な募集を始めることになる。政府が思っている以上の下げ効果がでると思う。弊社のサービスはコストが非常に安く、柔軟性も高い。それに約1億人の楽天会員もいる」
この日の会見でわかったことを整理してみる。
10月から来年3月末まではネットで募集した5000人の「無料サポーター」限定で試験運用を兼ねてサービスを提供する。本格サービスは試験運用の安定性を確認してからになる。料金プランの発表はそれを踏まえて行う。料金面でこの日、明らかになったのはサービスで使用する端末は「SIMフリー」で、いわゆる最低利用期間と契約解除料を撤廃する「縛りなし」ということだけだった。