
関東で地震が頻発している。11月28日から12月5日までの1週間、震度1以上の地震は16回発生した。12月3日、4日の2日間では、茨城県や栃木県で震度3以上の地震が5回発生している。首都直下型地震につながる可能性を懸念する声も多い。
気象庁は、連続して起きた地震について、今のところ関連性はなく、連動して起きたわけではないとの見方を示した。地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏は語る。
「気象庁が言っている、関連性がないというのは間違いです。今の地震学のレベルから言うと、次に大地震が来るかどうかはわからないんです。震度の大きいものがあったからといって、次に大きなものが来るのかどうかは、まったくわかりません。だから関連性がないというのは間違いで、わからないというのが正しい答えなんです。
首都圏の下には、東から太平洋プレートが入り、南からフィリピン海プレートが入っています。2つのプレートが入っているのは、世界中でもここだけです。日本に起きる地震としては、直下型地震と海溝形地震があります。海溝形地震というのは、普通は太平洋岸の沖で起こるんですが、東京では直下として起きます。フィリピン海プレートが年間4.5センチくらいずつ動き続けていて、地震を起こすべきエネルギーがどんどん溜まっていることは確かです。ですから海溝形地震はいずれ起きます。直下型地震もいつ起きるかわかりませんが、首都圏を襲う可能性は大いにあります」
地震はいつどこで起きるかわからない。いつでも備えをしておくことが必要だということになる。
「地震の災害というのは、文明が進歩するほど大きくなるというのは確かで、首都圏は非常に弱いところです。地下鉄が川の下を通っていたり、0メートル地帯もいっぱいあります。たとえば錦糸町の駅は海から6キロも離れているけれども、海抜0メートルです。そういったところがたくさんあるので、東京は津波にも地震にも弱いところです」
昨年は大阪と北海道で大きな地震があった。2016年の熊本地震も記憶に新しいところだ。日本は地震の活動期に入ったという声もよく聞かれる。
「活動期に入ったかどうかは、今の時点では厳密にはわかりません。数十年経って遡って見て、統計学的に調べなければはっきりしたことは言えません。ターン・オブ・ザ・センチュリーといって、19世紀から20世紀に渡る時に世界中で地震が頻発しました。そういうふうに地震の活動期というものはありますが、今の日本がそうだということは、現時点ではいえません」