
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
第200回(臨時会)国会の会期が12月9日に終了しましたが、まだまだ野党は「桜を見る会」の問題を追及したいようです。主要な世論調査でも政府の説明に「納得できない」と答えた人は7割以上に上っていますから、まぁ張り切っているのでしょう。
そんなわけで、9日は朝から会期延長の申し入れが行われ、閉会処理のための委員会スケジュールがすべて白紙になりました。会期延長の申し入れは議院運営委員会で審議されます。立憲民主党の安住淳国会対策委員長は「否決されたら内閣不信任案を提出する」と息巻いていましたが、「内閣委員会で閉会中審査を行う」という与党の提案を受け入れ、最終的には不信任案は提出されませんでした。午後には粛々と各委員会の閉会処理が行われ、心配していた深夜国会にはならずに済んだので、国会女子たちはみんなホッとしました。
安住議員は昔から「ちびっこギャング」の異名を持っており、「昔は暴走族だった」などと自慢にならないことを自慢していると報道されたこともあります。なので、与党議員たちからは「やっぱりちびっこギャングだもん。ビビって内閣不信任案なんて出せないと思ったよ」と言われてしまう始末です。
これに対して、国会閉会後も桜を見る会の問題について審議しなくてはならない内閣委員会の所属議員事務所のスタッフは、ため息をつくしかありません。
「はぁー。閉会中も委員会が行われるなんて……勘弁してくれだよ」
このスタッフたちによると、桜を見る会については、やっぱり官僚たちも困っているそうです。早い段階で菅義偉官房長官が「名簿はない!」と明言してしまったため、官僚たちはその発言を踏襲するしかないんですね。それが官僚の世界なんです。ある官僚は、こんなふうにこぼしていました。
「陰ではみんなが『あんな言い訳、通用するわけがない』って言っているけど、官房長官の発言に忖度しないとだから」
ここでも忖度なんですね。それで、「名簿はない」ことにしているようです。 なぜ最初から率直に不適切な部分を詫びて、改善を約束できないのでしょう。国民もあきれているし、国会女子たちも与野党を問わずヤキモキしながら菅官房長官をはじめとする関係者の答弁を聞いています。
ただ、野党の追及も微妙ですね。名簿を処理したという内閣府のシュレッダーの視察も、記者団を1時間も寒空の下で待たせた挙げ句、シュレッダーで実演して時間を計っただけ。記者たちは、「あれのためにこんなに待たせるなんて!」と怒っていました。
森裕子議員は仕事が雑すぎる?
桜を見る会の追及メンバーの1人である森裕子参議院議員については、台風襲来の前夜に質問通告を遅らせた問題で、逆に世間から追及されたことは記憶に新しいところです。
この件で、森議員がのちに公開した質問通告に個人情報がそのまま掲載されていたことについて、日本維新の会は森議員を名指しで批判しています。「公開は国会議員としてあるまじき行為なので懲罰委員会にかけるべきである」ということです。
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。
