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浅井佐知子「世界一やさしい 不動産投資のお話」

不動産投資の正しい始め方…135万円で区分マンション購入→数年後に年300万円の収入

文=浅井佐知子/不動産鑑定士、不動産投資コンサルタント
不動産投資の正しい始め方…135万円で区分マンション購入→数年後に年300万円の収入の画像1
「Getty Images」より

 こんにちは! 不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。

 前回は、「不動産投資をしよう!」と決めたらまず、「いつまでにいくら収入が欲しいかを決める」、そして、本やセミナーで不動産投資についての知識を増やしましょう、という話をしました。

 不動産投資に関する本はたくさん出版されています。そのなかから基礎的な知識が得られる本、税務に関する本、管理に関する本、空室対策の本、大家さんが書いた本をバランスよく読むのがおすすめです。大家さんが書いた本は読んでいてモチベーションが上がります。物件を探すのに少し疲れたときなどは、ぜひ読んでみてください。「自分もそうなりたい」と意欲が湧くことは間違いありません。

 以前は「100冊読みましょう!」とアドバイスしていましたが、そこまでは難しくても、せめて20冊は読みましょうね。不動産投資の全体像がわかるし、どこにどんなリスクが潜んでいるかも、なんとなくイメージできるようになります。私も不動産投資の教科書となる本『世界一やさしい不動産投資の教科書 1年生』を出版していますので、よければぜひ手に取ってみてください。

 さて、今回は物件選びについてお伝えします。

 不動産投資の対象となる不動産にはいろいろな種類があります。区分マンション、貸家、アパート、1棟マンションなどなど。変わり種ではシェアハウス、民泊、時間貸し駐車場などもあります。いろいろありすぎるので、何を選べばいいのか迷ってしまいます。目標とする家賃年収が決まっても、どの不動産を選べばいいのか、選択肢が多すぎて選べなくなるのです。そこでざっくりとですが、代表的な不動産の長所と短所をリストアップします。そのなかから面白そう、と思うものを探せばいいと思います。

1.区分マンション

 区分マンションの長所は以下の3つです。

(1)物件が豊富に出ている

(2)管理が楽

(3)少額の投資からできる

 中古の区分マンションの長所は、なんといっても物件が豊富に出ていることです。また、毎月「管理費」「修繕積立金」を支払うことで、日々の清掃から大規模修繕などほとんどの管理を行ってもらえます。自分の部屋だけ管理すればいいのです。

 区分マンションは1棟アパートなどと違い、安いものだと100万円台、なかには100万円以下の物件も見つけることができます。総額が小さく現金で買うこともできます。また、土地が共有なので、税金(固定資産税等)が安いのも魅力です。

 短所としては、

(1)管理費、修繕積立金が一律で経費削減が難しい

(2)1戸なので、空くと空室率が100%になる

(3)土地が共有のため、担保価値が低い

(4)建て替え等の意思決定がひとりでできない

などです。長所が短所になっている部分もあります。

2.アパート

 そのほか不動産投資の代表例としてはアパートがあります。アパートは区分マンションと違って額がそれなりに大きくなるので、現金購入する人は少ないといえます。一部、もしくは大部分の資金を銀行から借りて購入することになるので、シミュレーションなどにより、計画を立てることが重要になります。

 また、アパートは区分マンションよりも調査事項が増えます。例えば、建て替えができるのかどうか? 中古の場合は今まで建物の修繕をしたかどうか? 今入居している人の賃料は妥当かどうか? 間取りに競争力はあるか? 土地の形は悪くないかどうか? などをきっちりと調べる必要があるのです。区分マンションよりはすべての面でハードルが上がるといえます。

3.戸建

 最近は戸建に投資をする人も増えています。全国的に空き家が問題になっていますが、そのほとんどが相続で引き継いだ戸建です。子供は独立して違う場所に住んでいるため、親が亡くなった後、誰も住む人がいない物件などです。そういう戸建を安く買って賃貸として貸し出すのが戸建投資です。大きな指値が効きやすいのもこのような戸建です。

 私のお客様も昨年、売り出し価格1,000万円の物件を500万円で、同570万円の物件を250万円で購入されていました。ダメもとでトライしてみるのもいいと思います。戸建は家族で住むので一度入ると長く住んでくれます。また、駐車場が敷地内にあれば駅からの距離はあまり関係ありません。

 戸建投資の短所は間取りが大きくなるので、リフォーム費用が嵩んだり、1Kに比べると入居者が決まるのに時間がかかることです。

 以上、代表的な投資物件について長所と短所をあげました。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った物件を探してください。

まずは小さな区分マンションを現金で購入

 さて、ここからは前回に続き実際の例でお話しします。Aさん、Bさん、お二人のケースを取り上げます。

<50代会社員Aさん>

 本やスクールで勉強をし、不動産投資のロードマップを作成しました。5年以内に年300万円の収入を目指しています。

 Aさんのロードマップは、

・まずは300万円以内の小さな区分マンションを1件現金で購入し、不動産投資を体験、練習する

・次に、融資を利用して中古アパートを1棟購入

・数年運営しつつ、新築アパートを購入し、トータルで年間300万円のキャッシュフローを目指す

というものです。

 そこでまず、1物件目の区分マンションを探し始めました。区分マンションは数が豊富に出ているので、ネットを中心に探します。探し始めて1週間たった頃、なんと、140万円の物件を見つけました。場所はS県です。Aさんの自宅は東京23区内なので、電車だと1時間30分ほどかかります。でも、行けない距離ではなかったので、早速、不動産業者に連絡を取り内見しました。この物件は築30年経っていましたが、外観もとても綺麗で、近くには大手スーパーが2軒もあり、場所もとても便利だと感じました。部屋の中に入ると、クリーニングをはじめ、クロスの張り替えやじゅうたんの張り替えなどのリフォームはほぼ完璧にされていました。

 では、なぜ売主さんはこの物件を売りに出そうと思ったのでしょうか? 売主の売却理由を聞くことは非常に重要です。仲介業者の担当者に聞いたところ、オーナーは関西に住んでいるとのこと。新築の時に購入し、販売業者が30年間サブリースしていました。そのサブリースが今年切れて客付けに苦労しているため、この際売却してしまおう、となったことが判明しました。

 次にAさんは市場調査をしました。具体的には、以下の内容です。

・地元の賃貸業者を訪ね、賃料相場と客付けの難易度をヒアリングする

・物件が所在する地域の利便性をチェックする

・物件の存する駅の乗降客数の推移を調べる

 その結果、この駅も地域も客付けに問題ないということがわかりました。賃料相場も把握し、この物件なら所有しても大丈夫だということがわかったのです。そこで売り出し価格140万円に対して130万円に指値をした購入申込書を提出しました。購入申込書に書く値段は売値ではなく、指値を入れるのが普通です。どうしても欲しい場合は売値で、さらにケースとしては少ないですが競争が多く、是が非でも欲しい場合は、売値以上で申し込むケースもあります。不動産業者も指値が入ることを念頭に、最初から少し高めに値段を付けている場合が多いです。

 売主さんからは、リフォーム費用に40万円もかかったので、5万円上げてほしい、という要望があり、結果として135万円で購入できることになりました。こうして晴れて最初の1件、小さな区分マンションのオーナーとなったのです。

<50代会社員Bさん>

 Aさんと同じく老後資金のために不動産投資を始めようと決意したBさんです。とりあえず不動産会社主催の無料の不動産投資セミナーに参加しました。ネットで広告していたセミナーです。参加してみると、その会社の社員によるセミナーの内容はなかなか魅力的なものでした。新築もしくは築浅の区分マンション投資は頭金ほぼゼロ、フルローンで購入できるのです。

 そして、団信(団体信用生命保険)がローンに付いているので、今の生命保険を解約することができます。毎月入ってくる賃料は多少マイナスになるけれど、マイナス分は本業のお給料と相殺できるので、年末に確定申告すれば源泉税を取り戻すことができる。という説明でした。普段から税金が高いと思っていたBさんは、節税にもなるというのも魅力に感じました。残債は年々減るのだから、ある程度減った段階で売却すれば利益が出るかも? とわくわくして、セミナー後の個人面談を受け、その場で3戸契約をすることにしました。

 すべてフルローンで費用は初期費用(登記費用、登録免許税、火災保険料等。売主から購入したため、仲介手数料はかからない)の数十万円だけで新築及び築浅の区分マンションが3戸も手に入ったのです。

※次回へ続く

浅井佐知子/不動産鑑定士、不動産投資コンサルタント

浅井佐知子/不動産鑑定士、不動産投資コンサルタント

「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としての実績が豊富で、不動産投資家からの信頼も厚く、きめ細やかなサービスで支持、信頼を得ている。現在、不動産投資スクールを開催。個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行い続けている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生


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Twitter:@sachiko_asai

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