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熊本豪雨・川氾濫、川辺川ダム建設中止した民主党政権と“煽った”マスコミの責任を問う

文=編集部
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陸上自衛隊西部方面隊公式Facebookアカウントより

 九州南部豪雨で氾濫した熊本県の球磨川。現場で懸命な救助活動が続く中、マスコミやインターネット上では、1966年に洪水防止のため計画され、2008年に蒲島郁夫知事が建設反対を表明、09年に民主党政権が計画中止の方針を示した「川辺川ダム」をめぐって激しい議論が交わされている。

辛坊治郎氏「ダム建設中止をマスコミが煽った」

 8日放送のテレビ番組『グッとラック!』(TBS系)では、川辺川ダムが完成していれば今回の災害が防げたかどうかについて、賛否それぞれの複数の有識者の見解を紹介した。だが番組コメンテーターの辛坊治郎氏が、この問題に対する根本的な疑問を次のように述べたのだった。

「川辺川ダム建設反対運動には、TBSだのテレ朝だのニュース番組が徹底的にバックアップして『ダム反対!中止!』を徹底して煽った結果中止になったんですから。それを忘れて言うなよ!この局中みんな覚えてます。この局のニュースアーカイブを見てみたらいっぱいありますよ」

「治水予算増えても、『やる業者自体がいない』」

 新聞もテレビ局も、国政策や自治体の計画に関する賛否が適正だったのかという、目線の高い議論が続いている。一方で、9日、Twitter上では次のような意見も注目を集めていた。

「コレね、いまさら治水予算増やしてもらっても、もう『やる業者自体がいない』んやで。何度でも言うけども、どれだけ大手が受注しようが実際に施工するのは地元の中堅以下。中堅以下がぶっ飛んだと地方は、どれだけ金積まれようが回らん。除雪やる業者すら無くなってエライことになってんだから」(原文ママ、以下同)

「私の前職は土木の施行管理技師だったわけですが、近年ショックだったのは、覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、オリンピック関連工事で、杭打ちの若い若い技師が首括ったことですね…報道で知った勤務状態が、身体壊して前職辞める直前の私にそっくりでした。”将来”に何てことを」

「どうも自民が悪い、民主が悪い、またいらんハコモノつくってきた業界も悪い等が散見されますが。私の趣旨は、すいませんが、もうちょっと突き放してます。『もうどうにもならんのだから、家流されるまで、道路崩壊するまで、橋や上下水道の寿命尽きるまで、好きなだけ議論してろ』です」

公共事業の「ムダ」とはなんなのか

 こうした意見に 、青森県内の小規模土木・建設業者社長は次のように嘆息する。

「なぜ公共事業はお金がかさむのかに関する議論が、国ではまったくなされてきませんでした。治水事業にしても、原発関連事業にしても、大規模な予算が計上されても、4次下請け、5次下請けのわれわれのところに発注がくるまでに大半が中抜きされてしまいます。

 ただでさえ公共事業は大手ゼネコンが受注する際に、入札で勝つために最大限圧縮した予算を提示します。それでも大手はしっかり自社の利益を確保します。そして、圧縮した分は我々に押し付けます。実際に人を出して、汗をかいているのは我々なのに、東京や大阪の空調の効いた社屋で書類を右から左に回すだけでお金が消えていくのです。安い給料の重労働がバカバカしくて、若い人はどんどん東京に仕事を求めて出ていきます。

 公共事業削減の動きは、小泉純一郎政権のころから始まりました。そういう意味では、自民党政権も民主党政権もマスコミも変わらず、みんな脱ハコモノを煽っていました。『余計なハコモノを作るな』というのはその通りなのかもしれませんが、今回の熊本豪雨のような災害が起きるたびに、あたかも国や自治体が計画しさえすれば、すぐ何かが建設されるかのような議論が出ることに腹が立ちます。その間も我々は食っていかねばならないのですから。

 公共事業が圧縮されて20年。地域の若年人口は激減し、会社の作業員はもう大半が60代前半です。体を痛める社員も多いです。それに毎冬の除雪作業などは日の出前から始まる過酷な作業です。毎年、『社長、もう体力的に厳しい。辞めたい』という社員たちに、『俺らがやらないと町全体が雪で孤立する。そこをなんとか、がんばってもらえないか』と頼んでいます。財務も厳しく、私自身の報酬はもちろん食費を極限まで削り社員に給料を出していますが、正直、もう長くは続かないと思います」

 近年、災害が拡大する背景には、都市と地方、大手と下請けといった産業構造のいびつさに端を発する国力の低下もあるのかもしれない。

(文=編集部)

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